CMだったり仕事も減りましたし、バッシング自体を経験したのは初めてで「私すごい嫌われ者なんだ」となりました。小学校の頃はいじめられていたんですが、その記憶も繋がってフラッシュバックしちゃって。
話すのが怖くなり、バラエティー番組に出られなくなる
ーーバッシングが堪えて、引退も考えたそうですね。
吉野 こういうことになって、本当に恥ずかしくて芸能界にはいられないと思ったんです。
これまで良いとされてきた毒舌がバッシングがあったことでダメになって。そこから何を言ったらいいのか、逆に何を言っちゃいけないのかがわからなくなって、話すのが怖くなったんです。そうなると番組に呼ばれても話せなくなるし、必然的に徐々にバラエティー番組も出られなくなっていったんです。
バラエティー番組側は毒舌を求めてくる。でも「言って大丈夫なの?」と思ってしまって、話せない。何を言ったらっていう状態になって、バラエティーにも出られなくなってしまって。自分の中でも仕事を続けられないんじゃと思ってました。
初めての舞台の仕事で「演技をしたい」と思うように
ーー引退を一度は考えながら、それでも芸能界にい続けた理由は何だったんですか。
吉野 家族の応援です。疲れ切っていた時に、もう他界してるんですけど、生前のパパが「つらかったら帰ってきていい」と言ってくれて。そこで「頑張れ、やり続けろ」と言われていたら「もう無理だよ」となったと思うんです。でもそれまで自立しろと言っていたパパが「帰ってきていい」と言ってくれたので、もう一度頑張ろうと思ったんです。せっかく入りたかった世界に入れたのだし、自分のやりたかったことをやろうって。
そこでつかこうへいさんの舞台「寝盗られ宗介」をやらせてもらえる機会があったんです。それまでミュージカルの経験はあったんですけど、舞台のお仕事は初めてで。お客さんに生で演技を見てもらって、その反応がすぐ返ってくる。「こんな世界があったんだ。もっと舞台を知りたい」とすごく興奮しました。
もともと演技は好きでずっとやってきてはいたんですけど、どこかで抑えてきた役者の部分が出てきて、そこからは演技をしたいとなりました。でもバラエティー番組でも求められる吉野紗香を演じてきたので、そういう意味では常に役者ではあったと思います。ただバラエティーでの役づくりには失敗しましたね(笑)。
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