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井戸を利用して、洗濯機を無料開放
珠洲市では、避難所のひとつに兵庫県養父市から全国初の移動式ランドリー車が1台派遣されているほか、山の湧き水を運んで洗濯機を回せる場所もあるが、珠洲市中心部にある乗光寺では、西田さんのチームが掘った井戸を利用して、洗濯機を無料開放している。
乗光寺の坊守・落合誓子さん(77)が語る。
「断水が続く中、『洗濯や洗い物が一番困る』という声が多くなっていて、1月22日に井戸を掘ってもらったんです。うちにも井戸は3つあったんですが、水道ができてからは使っていなかったので、泥水だったり、水量が足りなかったりで。西田さんたちが来て、6メートルほど地面を掘ったら大当たり。十数度の水が出ました。水量も十分でした」
落合さんは、災害ボランティアの手を借りながら、ポンプのそばにカンパなどで購入した二層式洗濯機を4台設置。食器洗いもできるよう水場も設け、利用者が使えるテーブルと椅子も配置した。
水道施設の復旧が待ち望まれる中、被災経験のある職人の矜持が、地下水のありがたみを再認識させている。