「通常、訴状には何が事実で、何が虚偽なのかを書くものですが、この訴状にはそれが一切書かれていない。(松本が)女性たちと性的関係に至ったのかどうかも説明しておらず、強い違和感を覚えます」
「現在の考え方は、脅したり暴力をふるったりしなくても、立場を利用して同意なく性行為を行えばそれだけでアウトです」
「全体的に問題提起の仕方が古くて今の常識に反しており、昔の強姦罪的なイメージで訴状が作られている感じがします」(「週刊文春」2月29日号より)
これに対し、スタジオで三輪記子弁護士は弘中弁護士のコメントについて補足的に解説し、こう意見を述べた。
「(訴状では)『性的行為の強要はなかった』というご主張をされているんですけど、『強要』というものの中身ですね。そこが松本さんのお考えとA子さん、B子さんが思っている『強要』との中身が違うんじゃないかなと思ったんですよね。『強要』の中身についてもうちょっと具体的に書かないと伝わらないなと感じました。想像するに、性的行為の『強要』というのはたとえば暴力をふるったりとか、明らかにわかる強迫をしたりして性的行為を行うことが『強要』なのか。あるいはもっとソフトな形の『強要』。被害者は『強要』と思うかもしれないけれど、もしかしたら加害者の人は『これは強要じゃない』と思っていることでも、被害者は『強要』って感じることはあるよということを弘中先生はそういう風に表現されたのかと思いました」
相手に「強要」と思われないかはケースバイケース
この解説をめぐり、和田アキ子が芸人たちに「飲みに行こう」「昼飯行こうか」などと言った場合、それがハラスメントに当たるのかどうかという話題に。かつては問題ないとされていた言動が、今ではハラスメントと認定されることもあり得るという趣旨のトークを展開した。
「受け取り方の問題もあって、性的行為が結ばれる時、その2人の関係性って大事じゃないですか。その関係性においてどういう言葉を重ねれば、あるいは行為を重ねれば同意が得られるか。相手に『強要』と思われないかというのは本当にケースバイケースですから、わからないですよね」(三輪弁護士)
性暴力の被害者側がなかなか声を上げにくい現状を伝える三輪弁護士の言葉には説得力があった。
さらに、スタジオの雰囲気では和田アキ子やカンニング竹山などの出演者から、誌面で声をあげたA子さんやB子さんの心情に共感的な姿勢が見え隠れする。どちらの立場を支持するわけではないとして慎重に言葉を選びながらも、出演者たちは被害者である女性の境遇に心を寄せてコメントしていた。