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毎週のように取り上げている「サンジャポ」は…

 さらに、毎週のようにこの問題を扱っているのがTBS「サンデー・ジャポン」(以下「サンジャポ」)だ。2月25日(日)放送の回でもVTRとスタジオの両方で細かく論点を整理。「サンジャポ」では、他の番組で弁護士ら一部の専門家が「週刊文春」の「誌面反論」に対して、「ちょっと弱いのでは?」「供述や証言は客観的証拠とはならない」などと指摘したコメントをパネルにまとめていた。それを元裁判官という立場の細野敦弁護士が一刀両断にするという手法で締め括った。

松本人志氏 ©時事通信社

「私は裁判官時代に刑事裁判を担当していました。客観的証拠がない事件というのは刑事事件でもよくあって、直接的証拠が証言だけだと。それで有罪・無罪を判断するケースが普通にあるわけです。今回のケースは民事事件だけれども、そういうケースだろうと思います。直接的な証拠が証言だけだとしても、それを支える状況証拠が強くあれば、その証言が信用できるということで有罪は得られる。今回の例だと民事事件なので文春の記事の真実性が認められるということになるんですよね」(細野弁護士・元東京高裁判事)

 刑事ドラマのクライマックスでよく出てくるような確定的な証拠ではなくても、実際には「死体なき殺人」や「目撃者なき事件」が数多くあると話す。「2人だけの密室での事件なんていうのでどちらかを信用する、信用しないということで決まる刑事事件もたくさんあります」という細野弁護士。

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記者会見は裁判に影響して不利に働くのか?

「今回は文春の記事で女性と初対面であるとか、携帯電話を没収されたとか、後輩芸人がアテンドしてパーティを主催してそこで密室状態にしたとか、という状況証拠がありますから、この状況証拠がA子さん、B子さんの証言を強く支える構造になっているという風に私は理解しています」

 弁護士の中には、法曹の世界に入って最初から弁護士の人もいれば、元検事の弁護士、元判事の弁護士などがいる。細野弁護士は刑事裁判を担当した元裁判官で、証言や供述の信用性を語る上では、適任だったように見えた。

 タレントのカズレーザーは「訴状の内容が薄いことは裁判に影響するのか?」と細野弁護士に質問。これに対して細野弁護士は「訴状が薄いこと自体は裁判に影響しないですよね。最低限、名誉毀損で社会的評価が低下したということが書いてあれば」と回答。

 続いて、カズレーザーが「松本さんは記者会見すると裁判に影響して不利に働くのか?」と尋ねると、「裁判に影響がなくはないですけど、(松本は)社会的な発信をまったくしていないですから、記者会見をやったほうが松本さん側に有利に働くことはもちろんありますから、(記者会見を)やるという判断はありうるんじゃないですかね。(中略)会見にメリットがないと、松本さんは考えているのでしょうね」と細野弁護士は話した。

TBS「サンデー・ジャポン」2月25日放送より

「訴状」の解説報道を振り返ると、賛否両論、様々な意見が弁護士やコメンテーターからあがり、吉本興業の対応や松本人志の記者会見などを含めた「法廷外の解決方法」についても言及があったことが印象に残った。今後、テレビ各局はこの裁判の進展をどう報じていくのか、注視したい。