2012年にスポーツくじ「BIG」で1等最高6億円を引き当てた、ぽんぽんさん(仮名/40代会社員)。当時は年収400万円程度のサラリーマンで、いきなり大金を手にしたことに喜びつつも、大いに戸惑ったという。その後、どのような億万長者ライフを送ってきたのか? 

 そんなぽんぽんさんに「高額当せんした時の心構え」「賢いお金の使い方」について話を聞いた。(全2回の2回目/最初から読む

高額当せん者のぽんぽんさん ©文藝春秋/山元茂樹

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――前回(2022年11月)のインタビューは、スポーツくじ「BIG」で最高額の6億円を当ててから「3か月で5億5000万円使いました」というタイトルでした。

ぽんぽん 当せん直後に、銀行の営業の方から年利1%のゴールドマン・サックスの社債を5000万円買いました。そのあと金融商品を3億円、保険商品を2億円購入しました。「使った」と言っても、いわゆる消費や散財とは違いますね。

――2012年に当せんしてから10年以上が経ち、現在は資産として11億円、負債が4億円とお聞きしました。しかし、順調に増えてきたわけではない、と。

ぽんぽん 最初の頃、日本株などに1億円ずつ注ぎ込みましたけど、手数料が年間2~3%取られて、いま思うともったいなかったです。恐怖感もあって、少し下がったら売りたくなったりして、大きく儲けられませんでした。お金が減ってくると嫌な気持ちになるので、投資を始めたときは分配金があるような手堅い投資ばかりやっていました。そんなせいもあって、なかなか増えなかったんです。

 けっこう損をしたのはFXです。全体の資産の1%以下ですけど、ちょっと勉強がてらにやってみようと思ったら、高い授業料を取られました。

 2年くらい前にも、アメリカの株が20%ほど下がって、逆に円安で為替が20%くらい上がって、プラスマイナスゼロみたいな状態になったんです。もっと株が下がって円高になると怖いなと思って、全部売ってしまったんですよ。あのまま持っていれば、含み益が1.5億か2億になっていたかもしれません。

6億円が入金された銀行通帳には「トト トウセンキン」の文字が(本人提供)

投資における心残り

――当せんされた2012年に戻れたら、ご自分にどう投資せよとアドバイスなさいますか。

ぽんぽん 「ビットコインに全額投資しておけ」と言うかもしれません(笑)。あの頃ビットコインは誕生したばかりでしたけど、いまは950万円近くまで上がっていますから。

 株については、先日、日経平均が4万円を越えましたけど、あの当時は2万円行くなんて予想もできません。だから「チマチマといろいろ買わずに、株だけ買って持ったまま寝ておけ」というアドバイスもするでしょうね。

――調べてみたら、2012年末のビットコインの値段は1000円ほど。日経平均は1万395円でした。予測は難しいものですね。現時点で、10年後にはビットコインに化けそうな投資対象はありますか。