ここ10年は、インデックス型ETF(上場投資信託)のパフォーマンスがよかったと思います。アメリカを代表する銘柄にまとめて投資する「S&P500」や、米国株式市場全体に連動した投資信託「VTI」は、運用にかかるコストが0.03%と格安でお得です。できれば手数料が安いネット証券で、「ドル・コスト平均法」という形で、常に一定金額を定期的に購入するのがいいと思います。
というのは、一括購入した場合、たとえば買った翌月に価値が半分になったりしたら、耐えられなくなって売ってしまうと思うんです。そうした精神的な面を考慮すると、分割購入がいいだろうと思います。
余裕があれば新NISAで非課税枠の上限である1800万円をなるべく短期間で積み立てるといいでしょう。年間の投資上限額が360万円なので、最短では5年間ですね。インデックス連動の投資信託を持っていれば、株式市場の環境次第ですが、10年で2倍、20年で3~4倍になっていくはずです。なるべく若いうちに始めたほうが、賢明ですね。
リタイア世代が注意すべきこと
――不動産はどうですか。
ぽんぽん 首都圏の駅近で、不動産を購入するのはありです。コロナ禍以降は価格も上がっていますし、居住用なら売却の際に3000万円まで特別控除が適用されて、譲渡所得にかかる税金を節約できます。
リタイアしている世代の人は、現金のまま持っていてもいいかもしれません。ただし相続税が家族の負担にならないように、注意する必要があります。
資産運用で大事なのは、一喜一憂しないことです。この10年においても、株価が上がったり下がったりしました。あまり敏感にならず、バイ・アンド・ホールドという形で買ったらずっと握っておくとか、金融危機が来たら半分になるかもしれないという心構えを持っておくことが大事だと思います。
お勧めしないお金の使い方
――反対に、お勧めしない投資はありますか。
ぽんぽん 反面教師にしてほしいという意味では、高級腕時計です。一昨年のインタビューではお勧めしたのですが、紳士協定のようなものがあって買ってから数年間は売れないので、流動性が低い。マーケット全体が下がりつつあるし、盗難や破損のリスクも伴いますから、どうしても買いたい場合は1本ぐらいにしておくのがいいかなと。
高級車も同じです。アルファードやランドクルーザー、ベンツのGクラスやレクサスのLXなどリセールバリューが高い車種は限られますし、見栄のために買うのは無駄だと思います。と言いつつ、僕はレクサスやベンツなどを6台持っていて家族に貸したりしていますが、税金も任意保険も高いので、集約しなきゃと思っているところです。