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脳科学者・中野信子の悩み“生きるという地獄を耐える方法”に読者が答えた「いつも答えは自然の中に…」

中野信子の人生相談 5周年記念スペシャル

2024/03/20
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読者の皆様からの回答
(1)あるがままに受け入れるだけ──52歳の男性より

 中高生の頃、生まれてきた意義、生きていく意義に散々悩みました。大学生の時ふと気付きました。自分が今居るのは、この世の創成以来のあらゆる偶然の上に成り立っている。そのあらゆる偶然は、その時は他に選択の余地が無くそうなるしか無かった。という事は今自分が居るのは必然だが、自分の意思とは無関係な必然に意義はなく、という事は生まれてきた事にも、生きていく事にも何も意義は無い。詰まるところ生きる意義とは、寿命が尽きるまでただひたすらに生きる事という思いに行き着きました。

 するべきことは、今自分はこういう気持ちなんだということをあるがままに素直に受け入れる事だと思っています。今この気持ちである事が必然なので、今この気持ちを変える事は出来ないと思っています。でももしかしたらこの気持ちが大きく動く必然がくるかもしれません。その時々を素直にあるがままに受け入れるだけだと思います。中野信子さん、笑顔になれる回答ではありませんが、これがこの世を生きるという事だと思っています。

 

(2)逃げることが答え──バランスさん(男性)・39歳より

 耐えることでは救われない。逃げることが答えだと思います。科学が進歩しても解明できないのは耐えることが答えではないからだと思います。人間以外の生物が自殺しないのは耐えることをしないから。力の差がないなら闘う、差があるなら逃げる。人間以外の生物には勝てない相手から逃げずに耐えるという選択肢がない。いつも答えは自然の中にある。

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 なので耐えることをやめる。逃げて、耐えなくて生きていける環境を作る・探す。

 家が貧乏とか親がどうとか生まれながらに変えられないものはどうしようもない。

 苦しい中での笑える方法は、繰り返しの日常の中に喜びを見つける。仕事や学校がツラいのであれば家に帰った後の楽しみを見つける、土日の休みのような小さい目標を目指して生きていく。

 この世は地獄だけど、地獄であるならば天国になる可能性も秘めている。

 闇が濃ければ濃いほど光がその存在を示せるように。

(3)自分にとっての正解をのんびりやっていれば──カルメンさん(女性)・49歳より

 非凡な中野さんだから、心に抱える地獄がおありなんですね。自分にとっての正解を、信じる道を、のんびりやっていれば、なるようになるのではないのでしょうか。難しく考えるのをやめる。その場面にふさわしいかどうか、など、色々と余計なことを考えると、疲れる。