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世界でも限られた「第一級の証言」

ポンペオ 習近平氏が語ったのは、中国の被害者意識とその怨みを晴らすための要求でした。典型的な共産主義者で、抽象的な話に終始し、相手の話に耳を傾けているふりをしながら、常に自分の意見を押し付けようとする。私が陸軍時代に学んだソ連や東独の共産主義者の心理的プロフィールによく似ていました。明瞭さに乏しい言い回しや古風な中国語のことわざを探しながら話すので、話に心がこもらず空虚に感じられました〉

ポンペオ 要するに、私が会った数十人の世界の指導者のなかで、彼は最も不愉快な人物でした〉

 習近平氏と直接交渉をした経験をもつ人物は、世界でも極めて数が限られる。ポンペオ氏の発言は、習近平という人物を知る上で「第一級の証言」だ。

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ポンペオ氏の回顧録『Never Give an Inch』

 3月8日発売の「文藝春秋」4月号および「文藝春秋 電子版」(3月7日公開)では、大特集「日本地図から『新しい戦前』を考える」を掲載。中国、北朝鮮、台湾、沖縄など、日本が直面する“今そこにある危機”を、

米国の視点(マイク・ポンペオ氏――元国務庁長官・元CIA長官、)
日本の視点(本松敬史氏――元陸上自衛隊西部方面総監)
台湾の視点(李喜明氏――元台湾参謀総長)
中国の視点(劉明福氏――習近平の戦略ブレーン、中国国防大学教授)

 という4つの視点から分析している。

 本特集の記事「金正恩は習近平に支配されている」で、ポンペオ氏は、上記の率直な習近平氏評のほか、習近平氏とは対照的にきわどいジョークも飛ばした北朝鮮・金正恩委員長との生々しいやりとり、トランプ政権下での対中政策の転換の内幕、今年11月の米大統領選についても、詳細に語っている。