トランプ政権でCIA長官と国務長官を務めたマイク・ポンペオ氏が、このほど来日を果たした。ポンペオ氏は、トランプ政権の外交政策の中枢を担い、東アジアの地政学的情勢に最も精通する一人だ。今年11月の米大統領選でトランプ氏が勝利した場合には政権入りも取り沙汰されている。「将来の大統領選候補の一人」としても注目を浴びている。
この度、安倍政権・トランプ政権時代、カウンターパートだった前国家安全保障局長の北村滋氏のインタビューを受け、2018年6月、「世界で最も危険な男」習近平国家主席に初めて対面した際の印象について、生々しい「証言」を残している。
習近平は“死んだ目”をしていた
〈北村 「世界で最も危険な男に初めて会ったのは、金正恩委員長との米朝首脳会談後の2018年6月14日だった」と『回顧録』に記されています。実際に会った習近平国家主席はどんな人物でしたか。
〈ポンペオ 事前の情報として、習近平氏は長話が好きだと聞いていました。私たちだけになると、すぐに暴言が始まりました。「台湾? 中国の内政問題だ!」「米国の関税? 中国はまだ途上国だから不公平だ!」……。延々続く話にじっと耳を傾け、ようやく話が途切れたところで、私は会ってくれたことに感謝しました〉
〈ポンペオ ロシアのプーチン大統領は、邪悪ながらも、時に滑稽で陽気にもなれる人物です。それに対し、習近平氏は真面目というより“死んだ目”をしていました。彼の笑顔には常に無理があり、心底笑った顔は一度も見たことがありません〉