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「いつか20000人の前で…」「ステージに立つのがめちゃめちゃ怖かった」結成10周年を迎えた石田組と30歳目前の鈴木愛理が明かした“孤独と野望”

「いつか20000人の前で…」「ステージに立つのがめちゃめちゃ怖かった」結成10周年を迎えた石田組と30歳目前の鈴木愛理が明かした“孤独と野望”

石田泰尚×鈴木愛理インタビュー #2

note

「絶対に、孤独にはしないです」

——石田組は結成10周年を迎え、「クラシックは敷居が高い」と感じている人をも巻き込む、革新的な試みを次々と世に放たれています。今回のコラボもまさにそのひとつですね。

石田 愛理さんとの共演は、本当に今までやってきたことがない挑戦です。せっかく実現できたこの機会が、一回で終わるのは嫌だなと。定期的にコラボできればいいなというのが、自分の思いです。

撮影=杉山拓也/文藝春秋

——ご著作『音楽家である前に、人間であれ!』において、「コンマスも孤独で果てしない世界」「ソロもひとりだから孤独」と綴っていらっしゃいました。コラボレーションとして鈴木さんを迎えることで、孤独とはまた違った思い、一緒にステージに立てる喜びのようなものも感じられるのではと想像します。

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石田 ああ……確かにそうですね。

鈴木 タイプ的にもNEWですよね、きっと。私みたいな人とステージに上がったこと、ないですよね?

一同 笑

——鈴木さんはリハーサルが始まった時からずっとニコニコされて、明るいオーラを放っていらっしゃいました。

鈴木 いやっ、もう、全然そんなことないんですけど……石田さんへの好きが止まらないだけです(笑)。絶対に、孤独にはしないです。

音楽だけが、ファンの顔を直接見られるから

——「孤独」に関連して、質問をもうひとつさせてください。コロナ禍でしばらくライブやコンサートが開催できない時期があったなか、こうしてお互いのファンがひとところに集まり音色を分かち合えるのは、演じるお二人にとっても感慨深いのではないでしょうか。

鈴木 コロナ禍で音楽がなくなるというか、大きな声で歌えないことで、すごく体調が悪くなったんです。やっぱり小さい頃から歌い続けているので、もう本当、いちばんのストレスでした。ライブは私にとってすごく大事な場所なんだなとあらためて感じましたし、モデルや俳優などいろんなお仕事をするなかでも、唯一音楽だけが、聞きに来てくれている人の顔を直接見ることができるんですよね。

 もちろんCDやテレビも大事ですけど、ライブという「人間と人間のコミュニケーション」をすごく感じることのできる空間には、やっぱりまた違う特別な思いがあります。生ものというか、その場限りの体験ですし、今回もきっと昼と夜の公演で全然違う空気になるんじゃないかな。今しか見られないものを、ちゃんと届けたいなと思っています。

石田 自分はやっぱり、お客さんの前で弾くのが仕事ですから。この先、またコロナのような緊急事態が起こる可能性もあるじゃないですか。再び、全てがストップされてしまうかもしれない。だからこそ、とにかくひとつひとつの本番を、今まで以上にもう本当に全力で行こうという気持ちは、ずっとありますね。