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「いつか20000人の前で…」「ステージに立つのがめちゃめちゃ怖かった」結成10周年を迎えた石田組と30歳目前の鈴木愛理が明かした“孤独と野望”

「いつか20000人の前で…」「ステージに立つのがめちゃめちゃ怖かった」結成10周年を迎えた石田組と30歳目前の鈴木愛理が明かした“孤独と野望”

石田泰尚×鈴木愛理インタビュー #2

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 2024年2月29日、東京・紀尾井ホールにて開催された『billboard classics ―石田組から鈴木愛理への挑戦状―』。今もっとも注目を集める気鋭のヴァイオリニスト・石田泰尚が率いる弦楽合奏団「石田組」と、ハロプロアイドルとして活躍後にソロデビューし、武道館公演を二度果たした歌手・鈴木愛理のコラボコンサートだ。

 3月21日発売の「週刊文春」カラーグラビアと「週刊文春 電子版」では、本公演の写真とレポートを掲載。チケット即完売、拍手万雷のスペシャルなプログラムを誌上再演している。

撮影=杉山拓也/文藝春秋

 今回は、公演の前日に行われたリハーサルでのインタビューを特別に公開。互いに惚れ込んだ”音楽家としての才”や、石田組は結成10周年、鈴木は30歳を迎えるにあたっての展望を、熱く、時にはにかみながら語ってくれた。(全2回の2回目/前編を読む

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取材・構成 秦野邦彦、週刊文春編集部
撮影 杉山拓也

 ◆◆◆

℃-uteの名曲がかつてなく「エキサイト!」に

——鈴木さんが在籍されていたアイドルグループ「℃-ute」のナンバー、『夢幻クライマックス』も披露されますね。

鈴木 もともとイントロに、クラシックのニュアンス(ショパン『革命のエチュード』、ベートーヴェン『ピアノソナタ第14番《月光》』)が入っている曲なんです。今回は弦楽器に合わせて、また別の曲(パガニーニ『24のカプリース第24番』、メンデルスゾーン『ヴァイオリン協奏曲』)をクラシックから入れていただきました。

 今回ならではの特別バージョンですよね。エキサイト!って感じ。リハーサルで石田さんがイントロを弾き終わった後、スケート選手かと思うほど1メートルくらいこっちに跳んできて「わぁっ!」ってびっくりしました。私も跳びに行けばよかった(笑)。一緒に歌っていて、すごく楽しいです。

——リズミカルな『DADDY ! DADDY ! DO !』では、体を楽し気に揺らしてダンスされていらっしゃいましたね。鮮やかな照明も相まって、クラシックの世界ではなかなか見られないステージのように感じました。

石田 石田組としてもボーカリストをお招きするのは初めてですし、これまでにない演出ですね。

「石田さんは私の“最強の推し!”」

鈴木 最初は踊らない方がいいかなと思ったんですけど、せっかくね、挑戦状をいただいている身なので(笑)。「ちょっとこっちも、いつものパフォーマンスで行かせていただきまっせ(笑)」とチャレンジしてみました。石田組さんをいつも見ていらっしゃるファンの方にも、手の振りを真似して一緒に踊ってもらえたら嬉しいな、私からも楽しい気持ちをお渡し出来たらなって。石田さんも踊ってくださっていいんですよ?

石田 (照れたように)…………。

——ダンスはもちろんですが、アイドル曲を演奏するのも石田組にとって初解禁ではないでしょうか?

石田 そうですね。『最強の推し!』とか、こういったテイストはふだんやらないですもん、絶対。

鈴木 そんなに力を込めて言わなくてもいいじゃないですか(笑)。私が去年リリースした曲で、「推し」という流行語にもなった言葉がキーワードになっています。石田組さんのコンサートに行かせていただいた時に、ここに集っている皆さんは本当に石田組さんのことが大好きなんだな、という温かさをめちゃくちゃ感じたんです。この感情=推しなんだと、今回のコラボコンサートを通じてお伝えできたらすごく嬉しい。私にとっても、石田さんは”最強の推し!”なので。その想いを会場の皆さんにも持ち帰ってもらえたら、よりこの曲が楽しくなるかなって。

——「この感情に名前を付けてくれた!」と思ってくださるかもしれませんね。

鈴木 そう感じていただけたなら何よりです!