「学校でいじめにあって自殺する」

 そんな悲痛な遺書を残して、2020年11月30日に東京都町田市の小学6年生だった女子児童A子さん(当時12)が自宅で自殺した。

 いじめに使われたのは、文部科学省が「GIGAスクール構想」で1人1台ずつ貸し出されたタブレットのチャット機能で、加害児童たちがA子さんに対して「ウザい」「まじ死んで欲しい」などの書き込みを続けていた。A子さんは友人に相談したが解決せず、逆に相談した友人までいじめ側に加わってしまったという。

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 A子さんへのいじめが発覚したのは20年9月、学校が定期的に実施しているアンケートがきっかけだった。A子さんが友人関係で悩んでいると回答し、タブレットのチャット機能に関する悩みも打ち明けている。学校は相手の児童らにいじめを行わないように指導し、経過観察をした上で関係は改善したと判断していたという。

 しかしその2カ月後、A子さんは同級生からのいじめを訴える遺書を残して自ら命を絶ってしまったのだ。

写真はイメージです ©AFLO

「チャットは見当たりません」「ハッカーが入ったんでしょうか」

 タブレットのチャット機能がいじめの舞台になったということは、履歴があると遺族は考えた。チャットのパスワードがA子さんも他の児童も全員共通で、他人になりすまして投稿や削除ができる状態だった。

「(いじめに使われたタブレットの)チャットの履歴を見せてほしいと学校にお願いしました。すると、校長先生の方から『チャットは見当たりません』とか、『ハッカーが入ったんでしょうか』という話が突然出てきました。そのため、改ざんや破棄のおそれが極めて高いと不信感を抱きました」(父親)

 A子さんの自殺から2カ月後、両親はPTAの代表委員会で他の保護者にA子さんの自殺について話をした。

「学校からは『来ないでくれ』と言われていたんですが、他の保護者たちの前で話すことができました。その場で話したことは全校生徒にプリントにして配布されるはずが、なかなか校長の許可が下りず、『PTAだより』に情報提供のお願いが載ったのは卒業式の前日でした」

 A子さんが出席するはずだった卒業式が行われた21年3月24日の翌日、同級生の保護者からいじめ加害児童たちが作っていた「ころしかたノート」の存在が両親に知らされた。