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これって本物?『バイオハザード』やRPG、ファンタジーのような風景も…“まるでゲーム”な非日常写真の世界

『ゲーム旅』写真家・toshiboさんインタビュー

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 まるでホラーゲームのよう――。

 この写真を見てそんな感想を抱く人は多いだろう。画面の奥へ続く老朽化した階段の先に一点の光。そこにあるのは価値ある財宝か、背筋も凍るような物語か。何か特別なものが隠されている可能性を感じて、道を進んでみたくなる。

『ゲーム旅』より

 この写真は、とある写真集に収められた1枚である。2024年1月に上梓された『ゲーム旅 toshibo写真作品集』(芸術新聞社)には、写真家のtoshiboさんが廃墟や人気の少ない場所で撮影した「まるでゲームのよう」な写真の数々が掲載されている。

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 写っているのは、魔物が隠れていそうな森の遺跡、体力全回復できそうな海上の洞穴、いにしえの神殿のような発電所跡……など、想像力を搔き立てる一冊だ。

『ゲーム旅』より

「バイオハザードにありそう!」と言われ…

 toshiboさんは、当初から「ゲームのよう」な写真を撮ろうと思って、廃墟を撮り始めたわけではないという。

「SNSに写真や動画を上げている中で、言い方が悪いかもですが、勝手にそうなっていきました。たまたま自分もゲーマーだったので、例えば『バイオハザードにありそう!』みたいなコメントがあったときに、たしかにそうだなと思えたのがよかったのかもしれません」(toshiboさん)

『ゲーム旅』より

 では、toshiboさんは自身の写真が「ゲームのよう」と言われる理由はどう捉えているのだろうか。

「廃墟だったり、いわゆる心霊スポットと呼ばれるような場所を好んで撮影しているのですが、そういう場所って絶対といっても過言ではないほどゲームに出てくるじゃないですか。だからそういう反応が多いのかなと思っています」(同上)

『ゲーム旅』より

 確かに、作品集に出てくるのは誰もいない廃墟や、崩れた建物の内部、忘れ去られたような自然の中の人造物などの写真が多い。

 ゲームの舞台に選ばれてもおかしくないような非日常的な場所で、ゲーマーであるtoshiboさんの目を通して撮られる作品だからこそ、多くの人がゲーム的な世界観や背景にあるストーリーを感じる作品になるのかもしれない。

活気があったはずの学校…一体何があったのか

 たとえば、次の1枚にはどんなストーリーを感じるだろうか。