グループ学習に精を出す学生たち、そこへ何か思わぬ出来事が起こり、世界はディストピアと化してしまう。合わせた机と椅子はそのままに、ただ時間だけが経過していく――。1枚の写真を見ただけで、そんな設定が脳裏に浮かんでくる。かつては活気のあった廃校を探検するゲーム、想像しただけで面白そうだ。
toshiboさんは写真を撮影する際に、何か気をつけていることはあるのだろうか。
「廃墟は、ありのままの朽ちた姿こそが完成されたものだと思っているので、自分の感覚は一切殺して撮影をするようにしています。
それと、なるべくすべてを写し出したいという気持ちもあって、僕の写真は手作業でHDR合成することを一貫してしています。これは廃墟に限った話で、それ以外では、写真でできることの面白さなどを考えているような気がします」(同上)
初の写真集を発売した喜びについてSNSで「夢が叶った」と語ったtoshiboさん。作品をどんな人に届けたいか伺った。
「廃墟とか人の気配がない場所の良さって説明がつかなくて、それで写真を撮っている部分があるのですが、同じような人もいると思うので、そういう潜在的な部分が似ている人に届いてほしいです」(同上)
それでは、一つの夢を叶えて、今後はどんな写真を撮っていくのだろうか。
「行き当たりばったりな性格なので、今後の展望は具体的にはないんですよね。最近は書籍のイベント関連で(写真の)出力ばっかりなんですけど、シンプルに落ち着いたらまた撮影に行こうと思っています。
あとは、本当に偶然見つけたスポットとか、その場の思い付きで形になったものが好きなので、なにか行動していたらみつかるだろうくらいの気持ちで、肩ひじ張らずに活動していこうと思います」(同上)