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「6月下旬くらいですかね。我々の問い合わせ窓口にメールが来たんです。インフォメーションに届くメールは幹部もみんな見ているんですが、そのひとりから私のところに連絡が来まして、『おもしろそうだから会ってみては』と」(齋藤さん)

JR西日本が、なぜわざわざ北海道の球場に連絡を…?

 JR西日本は、いうまでもなく京阪神をはじめとする西日本エリアで鉄道を運営している企業だ。ファイターズとも北海道とも縁がない。だから、齋藤さんも「正直いって最初は半信半疑だった」と打ち明ける。

 

 しかし、実際に顔を合わせてみると、エスコンフィールドが抱えていた課題解決につながる提案を受けたこともあり、話はトントン拍子で進んだという。

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「われわれの求めていたのはこれだな、と。だから、最初にご挨拶したときに、ぼくに権限があるわけでもないのに『何かやりましょう』と話していました(笑)」(齋藤さん)

 では、どうしてJR西日本は自社の営業エリアから遠く離れた北海道のファイターズに声をかけたのだろうか。同社の井上さんは次のように話す。

「我々の培ってきた技術を困りごとの解決に使えませんか?というご提案は、もうずっといろんなところにさせて頂いているんです。エスコンフィールドもそのひとつだったのですが、特に野球場って大阪駅のようなターミナル駅とよく似ているんですよね。だから、きっと抱えている課題も我々と共通しているのではないか、と。

 6月くらいになれば、ちょうど課題も出てきてさあどうしよう、というタイミングだろうと思いまして、見計らってご連絡させていただきました(笑)」