「昔に戻って何かを無かったことにしたいとは思わない」
「ウォーク・オブ・フェームに入れてもらえる日が来るなんて、夢にも思わなかったね。そういうものが存在するのは知っていても、自分とつなげて考えたことはなかった。今でも信じられないよ。
それはまた、ここまでの道のりを振り返る機会もくれた。世間に見つめられながら成長していく中ではいろいろあったが、昔に戻って何かを無かったことにしたいとは思わない。
僕はいつも、喜び、好奇心、健全な恐れに導かれてきた。常にそのパズルを組み合わせてきたんだ。そうやって今、キャリアのこの場所にたどりつけたことを、心から誇りに感じている。
『アイアンクロー』で今回のメンバーと組ませてもらえたなんて、ここまでやってきた価値は本当にあったよ」
エフロンがそこまでいうこの映画は、実際、勢いに乗るスタジオ「A24」の歴史で最も高い観客評価を得た傑作だ。彼が注いだ努力と情熱を、ぜひビッグスクリーンで堪能してほしい。
『アイアンクロー』
STORY
1980 年初頭、プロレス界に歴史を刻んだ“鉄の爪”フォン・エリック一家。父フリッツ(ホルト・マッキャラニー)は元 AWA 世界ヘビー級王者。そんな父親に育てられた息子の次男ケビン(ザック・エフロン)、三男デビッド(ハリス・ディキンソン)、四男ケリー(ジェレミー・アレン・ホワイト)、五男マイク(スタンリー・シモンズ)ら兄弟は、父の教えに従いレスラーとしてデビュー、“プロレス界の頂点”を目指す。デビッドが世界ヘビー級王座戦へ指名を受けた直後、日本でのプロレスツアー中に急死する。さらに一家はここから悲劇に見舞われる。すでに幼くして長男ジャック Jr.を亡くしており、いつしか「呪われた一家」と呼ばれるようになったその真実と、ケビンの数奇な運命とは――。
STAFF & CAST
監督・脚本:ショーン・ダーキン/出演:ザック・エフロン、ジェレミー・アレン・ホワイト、ハリス・ディキンソン/2023 年/アメリカ/132 分/配給:キノフィルムズ/4月5日公開