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 AP通信によると、違法ブックメーカーが連絡を取っていたのは水原氏のみで、大谷との接触は電話などを含め一切ないという。さらに水原氏が賭けていた対象にはメジャーリーグは含まれず、永久追放には至らないと見られている。

 水原氏は賭博の違法性について「これが違法だとは知らなかった」と語っているが、この発言の信憑性はいかほどだろうか。

21日の試合後、チーム関係者と記念撮影をする真美子さん(中央上) ©時事通信社

「水原氏が違法だと認識していなかった可能性は十分にあると思います。スポーツ賭博が禁じられているのはカリフォルニアなど一部の州で、アメリカの多くの州で認められています。通訳ですから英語は堪能で、ブックメーカーの説明を誤解したとも考えづらく、メジャー球団は毎年キャンプ中に賭け事に対する注意喚起の講習を行っており、水原氏も大谷選手と一緒に受けていて警戒心はあったはず。

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 ただ違法ブックメーカーは、時には女性を使うなどしてセレブやその周辺の人物を誘惑すると聞きます。相手が(水原氏より)一枚も二枚も上手だったということでしょう」(米大手マネジメント会社の代理人)

 水原氏に違法性の認識がなければ、大谷についてもその点は争点にならない。

大谷翔平選手の専属通訳だった水原一平氏 ©時事通信社

「全て自分の責任」という水原氏の発言の裏側は…

 しかしアメリカで2人に対する風当りが強まりつつある理由として、ESPNのインタビューでの発言を水原氏が後に180度翻したことは大きい。

 当初19日(現地時間)には大谷にギャンブルの借金の肩代わりを依頼し、「明らかに彼(大谷)は不満そうだった。私が二度とこのようなことをしないと確認した上で、助けてくれると言った」と語り、水原氏の目の前で大谷がパソコンからブックメーカーに送金したと話した。しかし翌20日には、「大谷は何も知らなかった」と主張を変えたのだ。

「インタビュー後に内容を知った大谷の弁護士事務所が『待った』をかけたと見るべきでしょう。当初の証言通りだと、大谷も水原氏の賭博を認識していたことになってしまうので、撤回を求めたことは容易に想像できます。水原氏の『全て自分の責任。あらゆる結果に直面する覚悟はできている』との言葉に全てが表れているのではないでしょうか」(同前)