しかしNEWSは今年で21周年、KAT-TUNは18周年を迎え、ベテラングループとして歩み続けている。特にKAT-TUNは、デビュー時は怖いほど尖っていたのが、今では亀梨和也、中丸雄一、上田竜也のそれぞれが個性と役割を発揮し、3人ならではの不思議な調和がある。その穏やかな変化はとても魅力的だ。
ファンたちからの反応も“賛否両論”
しかし、菊池・佐藤・松島が選んだのは、新メンバー募集という茨の道。「これまで先輩方がしたことがない試みもする」。佐藤勝利は「だれかtoなかい」(3月10日放送)でこう語っていたが、4月1日に発表されたときは、そうくるか! と仰天した。ファンたちからの反応も賛否両論が飛び交っている。
楽しみだが、すぐには受け入れにくい大きな変化だ。この複雑な感覚、初期の「モーニング娘。」を少し思い出す。最初こそ違和感が大きかったが、新たなメンバーを迎えて飛躍。その成功は「ハロー!プロジェクト」に発展していった。
もちろん、12年という長い活動でパブリックイメージがガッチリ固まっている彼らの場合、その時間を共有してきたファンの思い入れは強い。その分、今回もこのオーディションから、なにか時代を変える大きなパワーが生まれる可能性はある。
さらなる変革のため、すべてのボーダーを外した状態にも見える彼ら。2023年にジャニーズ帝国が崩壊してから、ボーイズグループの戦国時代に入ったともいわれるが、それはすなわち「共存」の時代に入るということ。もしかすると、別事務所のグループとコラボをする、なんてことも出てくるかもしれない。
軍師・菊池風磨がどう動くのか、注目である。
5人の共演ドラマが観たかった
佐藤勝利は、2020年に松島聡が復帰した際、Sexy Zoneについて、ラジオでこんなことを話していた。
「『仲良しこよし、お手手を取り合ってやっていくのは、かっこいいことじゃないんだよ』って教わってきました。(中略)ただ、手を取り合って、みんなで上を目指していくことは僕らの進む形かなと思っています」
年齢差、実力差、個性の違いが激しすぎて「そうせざるを得なかった」としても、彼らは時代より一足先に、多様性を考えた寄り添い方、サバイバルの仕方を模索してきたことになる。思春期という難しい時期ながら、まったく合わないパズルのピースを、5人がそれぞれ角を丸くしたり尖らせたりして磨き、10年スパンでチグハグだった部分をぴったり合わせてきた。これはちょっとした離れ業である。
その経験を、必ず新たなチーム作りに活かしてくるだろう。
ひとつ惜しむらくは、SMAPの「ドラマスペシャル 古畑任三郎vsSMAP」、嵐の「ピカ☆ンチ」のように、セクゾ5人全員の共演ドラマを見たかった。
しかし勝手な想像ではあるが、彼らが40歳くらいになったころ、「timelesz」はアイドルグループから大きなチームになっていて、中島健人やマリウス葉もときに合流し、別の仕事で得た技術を持ち寄り、一つの作品を作るかも――。
今は寂しさと期待が半々だが、Sexy Zone、改め「timelesz」は「新しい時代、グループの形」を作る気がしている。そんな日が来るのが楽しみだが、今はただ、夢の途中の大きな節目を迎えた彼らをお祝いしよう。
セカンドステージはまだまだ始まったばかりだ。