ちょうど10年前、約32年の歴史に幕を閉じた『笑っていいとも!』(フジテレビ)が、思わぬ形で“復活”した。それは『ラヴィット!』、3月13日のオープニングコーナー。この日のテーマ「マネしたいもの」で見取り図・リリーが挙げたのが、『いいとも!』の名物コーナー「テレフォンショッキング」だった。番組ではセットはもちろん、スタジオアルタの外観が映るオープニング映像やロゴも再現。おなじみのテーマ曲にのってあらわれたのは、あのタモリ。もちろん、本人ではなくジョニー志村が扮しているのだが、ホンモノと見紛うほど口調から佇まいまでそっくりだ。本当に『いいとも!』の風景を再生させたのだ。

 よく「もしも今、『いいとも!』があれば?」などと言われることがあるが、こんな形で“実現”するのもお遊びとしては楽しい。4分間のトークの後、どれだけ多くの「えー!」がもらえるかを競う「テレフォンショッキング選手権」という形式でゲーム性を出しているところが『ラヴィット!』らしい。実際に「お友達」を紹介し、来週出演してくれることになるとボーナスポイントが入るルールだ。

「そーですね!」の掛け合いから、持参した告知ポスターの「これ貼っといて」までの流れ、お花の紹介、テレフォンアシスタントが「お友達」に電話をかけるところまで、しっかり再現。見取り図はかまいたち・濱家を紹介したが、電話口から子供の声が聞こえる。ああ、そうだった。こういう“生活感”を感じられるのも、このコーナーの魅力だったと思い出させてくれた。

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スタジオアルタ ©AFLO

 美 少年の岩﨑大昇が紹介したのは、井ノ原快彦。「来週の水曜日、来てくれるかな?」という問いかけにまさかの承諾。その際、「いいとも!」ではなく「いいよー!」と言ってしまう。こういうのもあるあるだったなあと懐かしい気持ちに。何より『いいとも!』っぽいワクワク感があった。

『ラヴィット!』ではこの日に限らず、『学校へ行こう!』(TBS)の「愛してるゲーム」や『マジカル頭脳パワー!!』(日本テレビ)の「マジカルバナナ」、『はねるのトびら』(フジテレビ)の「ほぼ100円ショップ」など、多くの番組の人気企画を“復活”させている。そのことをゲスト出演したキングコング・西野に「他の番組でヒットした企画使うのがアリなんやったら『ラヴィット!』一生続きますね。これがアリなんだったら」とツッコまれると司会の川島明は「SDGsを訴えてます、私たちは」と悪びれずに返した。いまやテレビの最大の武器のひとつはその歴史。それを“共有財産”かのように使って「もしも」を実現してくれる『ラヴィット!』のスタンスは、テレビっ子にとってはたまらなく楽しい。

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『ラヴィット!』
TBS 月~金 8:00~
https://www.tbs.co.jp/loveit/