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飛行機の座席は左側の方が右側より格上!? 座席選びの鉄則10カ条――航空編

プロが教える「旅の新常識」

2018/04/28
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(6)事前指定できない“穴場”「空港調整席」に注目

 昨今は多くの航空会社で事前に座席指定ができるようになった。しかし、一部の座席は事前の指定ができず、空港のチェックインカウンターでのみ予約可能な席がある。これを空港調整席と呼んでいる。空港調整席のうち、代表的なものとして、非常口前の席(エグジットロウ)や座席の前が仕切りとなっている席(バルクヘッド)などがあげられる。そのほか、前方あるいは最後部などに空港調整席を設けているエアラインもある。空港調整席については以下の記事も参考にしてほしい。

※機内で快適に過ごす「オセロ戦法」とは?
http://bunshun.jp/articles/-/1384

(7)快適な席、避けるべき席を事前に知るべし

 快適な座席・避けるべき座席の座席番号を知りたいときにはどうすればよいのだろうか。これらの席は航空会社・機種によってさまざまであり、とても覚えきれるものではない。そこで重宝するのが以下のサイトである。いずれも快適な席が青色・評価が分かれる席が黄色・避けるべき席が赤色となっているなど、非常にわかりやすい。ところが、航空会社によっては、同じ機種でもさまざまなシートの配置を用意している場合がある。そのような場合は自分の乗る便のシートマップと照らし合わせることで乗る機材を特定すればよい。

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SeatGuru.com
https://www.seatguru.com/browseairlines/browseairlines.php

SeatExpert
http://www.seatexpert.com/browse_by_airline.php

Seatmaestro
https://www.seatmaestro.com/airlines/

 ちなみにJALについては以下のサイトが最強かと思われる。

 

JAL国際線研究会
JAL国際線機材一覧表
http://tripair.wp.xdomain.jp/aircraft

 また、日本の国内線や日本発着の国際線のおもな機材であれば、「のりもの勝席ガイド」(イカロス出版)でもシートマップを確認することができる。
のりもの勝席ガイド2017-2018
https://secure.ikaros.jp/sales/list.php?srhm=0&tidx=22&Page=1&ID=3923

(8) 前方席か後方席か、メリットをよく考えよ

 座席をアサインする場合、多くの人が前方の席を希望することが多いようだ。とりわけ羽田―伊丹間のような短距離のビジネス客を中心とした路線では、少しでも早く降機したいからか、とにかく前方が混んでいる。しかし、本当に前方のほうが後方よりもよいのだろうか。そこで、飛行機の前方席と後方席それぞれをアサインするメリットを以下にまとめてみた。

【前方席のメリット】
・降機時にすばやく降りることができる。とりわけ、入国審査で長蛇の列となり、時間がかかる空港では、この差は大きい。ただし、降機後、ターミナルまでバスで移動する場合などは、前方・後方のおおまかに2台に分かれるのみなど、必ずしも最前列のメリットを享受できないこともある。
・騒音が相対的に少ない。飛行機は後ろにいけばいくほど騒音が大きくなる。
・揺れが相対的に少ない。飛行機の最後尾はどうしても揺れが大きくなる。それに対して機体の中央部の揺れは相対的に少ない。
・団体客などがまわりにいる可能性が低い。マイレージの上級会員やビジネスマンの1人客などは前方にアサインする人が多く、相対的に静かなことが多い。
・機内食が先に配られるので、自分の希望する機内食が選べる可能性が高い。

【後方席のメリット】
・搭乗率があまり高くないときは、空席がめだつ。結果として、1人で3席ないし4席確保できる可能性が前方よりも高くなる。そこまで空いていなくても、前方とくらべて隣席が空席となる可能性が高い。とりわけ長時間のフライトでは、隣席に人がいるかどうかで快適度はかなり異なるだろう。
・これまでに起きた深刻な航空事故のデータから、機体後部のほうが前方よりも生存率が高いことが明らかになっている。たとえば、アメリカ連邦航空局をもとにして、2つの雑誌が以下のようなデータを発表している。

ポピュラーメカニクス誌
https://www.popularmechanics.com/flight/a1918/4219452/
生存率 機体前部49% 機体中部56% 機体後部69%

タイム誌
http://time.com/3934663/safest-seat-airplane/
生存率 機体前部62% 主翼部分61% 機体後部68% 

 アメリカの「ディスカバリーチャンネル」などが共同で制作した番組、『Plane Crash』では、ホンモノのボーイング727型機を砂漠に墜落させ、機体の部位ごとにかかる重力加速度を調べた。その結果、機体前部は12Gなのに対して、後部は6Gにとどまることが明らかとなっている。

Inside A Plane Crash
https://www.youtube.com/watch?v=nraIhaVrmxc&feature=youtu.be