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アカデミー賞1カ月前に山崎貴監督と3人で

加門 白組といえば、アカデミー賞の発表1カ月前くらいに、佐藤監督と山崎貴監督(佐藤監督の夫で『ゴジラ-1.0』監督)と私の3人で一緒にご飯を食べたとき、佐藤監督が「『ゴジラ-1.0』がオスカーをとる」とおっしゃっていましたよね。私はそのときすでに受賞が決まっているんだと思ってました。授賞式は内定者を発表する儀式だと思っていたんですが、そうではなかったことが後からわかり、驚きました。あれは、なんでわかったんですか?

佐藤 なんでだろう…。なぜか、とるだろうなということがわかったんですよね。不思議です(笑)。でも、それだけ高いポテンシャルを持っているトップクリエイターたちの参加なしでは今回の呪術シーンは表現できなかったので、いまこの作品が撮れたのは必然だったのかなと思います。

無理難題に応えた山崎賢人

加門 龍の表現が大変だったとおっしゃいましたが、晴明がその龍を呼び出す呪文シーンの撮影も大変でしたよね。呪文を唱えながらスムーズに印を組み替えないといけないので、「とにかくかっこよくやって」と、山崎さんには無理難題をお願いしました。

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佐藤 加門さんは古武道をやっているからか、教え方が厳しかったですよね。だんだん「そうじゃないっ!」って、『ガラスの仮面』の月影先生みたいでしたよ(笑)。

加門 そんな厳しいことは言ってないと思いますけど、江戸っ子だから、言葉が早くてきつく感じるんだと思います。ただ、晴明が術で空間を切り開くシーンでは「それはなぞっているだけ。切るんだから切れ」と、手加減なしで教えたような(笑)。

佐藤 みなさんがそうやって緊張感を持って挑んでくださったので、ビシッとした絵が撮れました。

 山崎さんと染谷さんは、実際はふわふわ~っとした方なんですよ。誕生日が近いせいか、おふたりとも雰囲気が似ていて。撮影中は緊迫ムードでしたが、カットがかかると、ほわほわ~っと会話していて面白かったです(笑)。

©2024映画「陰陽師0」製作委員会

加門 おふたりは、作品上でも現場でも、すごくいいバディでしたよね。染谷さんが演じた源博雅は、晴明の浮世離れしていくようなところをちゃんと繋ぎ止める紐。一方、山崎さんが演じた安倍晴明は、普通の貴族官僚として生きようとする博雅をちょっと浮き上がらせる存在。そんなふたりを見事に演じていたと思います。