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「松嶋さんが出てもらうしかない」と… 「GTOリバイバル」プロデューサーが明かす「反町隆史&松嶋菜々子 26年ぶり“夫婦共演”が実現するまで」

「GTO リバイバル」安藤和久氏インタビュー#1

source : 週刊文春Webオリジナル

genre : エンタメ, 芸能, テレビ・ラジオ

note

「今の時代も子供たちは悩んでいて、苦しんでいるんじゃないか?」

――一夜限りのスペシャルドラマという形です。

「まず企画書を用意して、テレビ局内はもちろん関係各所にプレゼンしていくところから始めました。2時間という枠に決まったのは、今からちょうど1年前ぐらい、2023年の1月か2月。フジテレビと関西テレビが開局65周年を迎えるということで、その記念企画として一番ふさわしいのでぜひやりましょうって言ってもらって決まりました」

――今作の制作にあたって、反町さんには具体的にやりたいことを聞いていましたか?

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「実際にご本人と詳しく話し出したのは、昨年の4月ぐらいからですかね。割と頻繁に会って、会話のキャッチボールをしながら進めました。反町さんの動機は、ヒットしたドラマだからやりたいというのではなくて、『今の時代も子供たちは悩んでいて、苦しんでいるんじゃないか?』という思いからだったということなんです。『子供たちにメッセージを伝えたいために、このドラマをやりたいんだ』と。それが、自分の心にも強く響きまして」

元不良教師役(カンテレ提供)

準備稿の段階から反町さんには見てもらって

――脚本を練るにあたって、準備稿から12稿も制作されたと聞いています。

「ストーリー自体はプロデュースサイドで脚本家と一緒に作っているんですが、企画自体が反町さんから始まっている経緯もあるので、反町さん抜きには本(台本)づくりも進められない。なので、今回は準備稿の段階から反町さんには見てもらっていたんです。

 本を読んでくださった反町さんから、『鬼塚だったらこう言うんだよね』とか『ここだったら、こういう風に子供たちに伝えたいな』という提案もありました。こちらも聞いていて、『なるほどな!』って教えられることも多く、随所に使わせてもらっています。そういう話し合いも含めて、結果的に準備稿から12稿になったって形ですかね」

――1998年の連続ドラマでも反町さんは、そういう関わり方をされていましたか?

「当時は、本当にそれどころではなくて、連続ドラマというのもあって忙しかったんです(笑)。もう演じてもらうのでスケジュールがパンパンでしたし、私も脚本家の遊川(和彦)さんと毎日毎日必死になって本を作っていたので、もうギリギリの闘いというか。もちろん現場では相談することもあったと思いますが」

お馴染みのTシャツ姿(カンテレ提供)

――今回はスペシャルドラマということもあって、反町さんも含めた綿密な話し合いができた?

「当時は、本当にゼロからみんなで作っていたんですが、今回で言えば『GTO』を一番理解しているのは反町さんですから。何より反町さんが言っていることの方が、私たちも聞いてて腑に落ちたんです」