なぜ映画が好きなのかが今はちょっと見えかけている
――芯は変わらないということですね。
石井 表現に向かう大切な本質の部分はそんなに変わるものじゃないので。何故映画を作りたくて、何故それをお客さんに見てほしいのかとか、そこに込める思いとか、そういうことは変わってないと思います。なぜ映画が好きかということを昔は言葉にできなかったけど、今はちょっと見えかけていると思います。
――なるほど。次の『箱男』もすごく楽しみですけれども、石井さんのその先の作品もまた楽しみにしています。
※注1 阪本順治 映画監督。代表作『どついたるねん』(1989)、『顔』(2000)、『KT』(2002)、『せかいのおきく』(2023)。
※注2 尾上君 尾上克郎。特撮監督。代表作『シン・ゴジラ』(2016)、『シン・仮面ライダー』(2023)。
※注3 林田君 林田裕至。美術監督。代表作『パンク侍、斬られて候』(2018)、『シン・ウルトラマン』(2022)。
いしい がくりゅう 1957年福岡県生まれ。日大芸術学部に入学後、『高校大パニック』で8ミリ映画デビュー。78年、『突撃!博多愚連隊』がぴあフィルムフェスティバルに入選。
主な作品に『狂い咲きサンダーロード』(80年)、『爆裂都市 BURST CITY』(82年)、『逆噴射家族』(84年)、『水の中の八月』(95年)、『五条霊戦記 GOJOE』(2000年)、『生きてるものはいないのか』(12年)、『パンク侍、斬られて候』(18年)など。
2010年、旧名の石井聰亙から改名した。2024年には長年の企画であった安部公房原作の『箱男』が公開予定。
<聞き手>こなか かずや 1963年生まれ。高校、大学で8ミリ自主映画を撮り、『星空のむこうの国』(86年)で商業映画デビュー。主な作品に『四月怪談』(88年)、『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』(06年)、『七瀬ふたたび』(10年)など。2023年自身の8ミリ自主映画時代を描いた『Single8』を発表。