『狂い咲きサンダーロード』のヒットにより、東映で『爆裂都市 BURST CITY』の製作が決定した。破格（？）の予算を得て誰も見たことのない映画を作ろうと邁進した石井監督はいま、「自分の中ではまだ未完成の作品」と言う。（全4回の4回目／最初から読む）
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東映で『爆裂都市 BURST CITY』を製作、予算は5,000万円
石井 『狂い咲きサンダーロード』がヒットしましたので、東映の岡田（茂）社長も非常に喜んだらしくて、幹部達にこういう映画を作れと鼓舞したらしくて。
――『サンダーロード』を見た岡田社長が、もう一本やれという感じだったんですね？
石井 だけど、『爆裂都市 BURST CITY』を見た時は「こんな男には二度と作らせるな」と言ったらしいんですけど（笑）。オチがあるんです。
――（笑）。
石井 制作予算は5,000万円でした。当時の私にとっては5,000万というのは天文学的な数字です。それまでゼロから作ってますから。
――そうですよね。
石井 もう何でもできると思って。
プロフェッショナルの映画の作り方を一切無視
――大作だと。
石井 最初は泉谷しげるさんと戸井十月さんと私の3人で喧々諤々ストーリー作りをやっていたんです。でもあまりにも壮大なスケールになってしまって、これはアニメだねと。
私的にもちょっと構想が気に入らなかったので、私とダイナマイトプロのプロデューサーの秋田光彦君で原型になる脚本を作って、それでクランクインしたんです。
日活の反動か、プロフェッショナルの映画の作り方というのを一切無視していました。スケジュール表を毎日助監督さんが渡してくれましたけど、私はそれの意味が分からなくて。スケジュール表って何？と。
――何で時間が決められているの？ということですね。
石井 撮り終わる時が終わる時だと思ってましたので。
