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 顔面にも攻撃を受けたが、あと5ミリずれていたら失明のおそれもあった。幸い命に別状はなかったが、顔や背中などに痛々しい傷が残り、事件から1ヵ月以上経っても目のかすみや立ちくらみ、少量の出血などの後遺症があったという。

「妹が熊に咬まれて出血している」

 さらに同一の固体かは不明だが、同日の午後6時半すぎにも北秋田市の路上で、学校から歩いて帰宅していた14歳の女子中学生が熊に襲われ、頭や首などにケガをした。女子中学生は自力で自宅にたどり着き、姉が「妹が熊に咬まれて出血している」と119番通報をして病院へ搬送された。

写真はイメージ ©getty

 次々と人を襲った熊が現場に残した糞からは、人里で栽培されるソバの実が見つかった。山でブナの実などが不作となったことから、人里へ下りてきて普段は食べないソバの実などを食べていたとみられる。しかし、そのような事情があったとしても、市街地で一日に6人も熊に襲われるというのは異常事態。幸いにも死者は出なかったが、熊の性質や状態によっては、とてつもない大惨事になっていた可能性もある事件だった。