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「ディスプレイは広告だらけ」「文明が崩壊しても紙の本は読める」英国人エリートが「本を電子書籍では読まない」理由

『英国エリート名門校が教える最高の教養』より #2

source : 翻訳出版部

genre : ライフ, 社会, 読書

note

 あるいは2016年のアメリカ大統領選やイギリスがEU離脱を決めた国民投票ではハッキングが行われたとされるが、そのようにして人々にそれが真実であると信じ込ませることもできる。

 アメリカの行動分析学者バラス・スキナーは言っている。

 “新しい行動を定着させるには、その行動を頻繁に取らせる必要がある。”

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 だから毎日、本を読もう。そして毎日、コンピューターや電子デバイスを見るのはやめよう。

 もうひとつ心に留めてほしいのは、コンピューターやタブレットやスマホの発明者たちは、自分の子供にそういった電子デバイスを使わせないようにしているのだ。スティーブ・ジョブズは、お子さんたちはiPadをどう思うでしょうか、とたずねられ、うちの子は誰も使ったことがない、と答えたという。シリコンバレーの幹部たちは子供たちにソーシャル・メディアへのアクセスを禁じている。タバコ会社の幹部がタバコを吸わないのと同じことかもしれない。人間の脳は25歳頃までは柔軟で順応性が高い、つまり環境に染まりやすいと認識しているのだ。

 すでに25歳以上で、子供の教育に責任がないとしても問題は残る。あなたの頭に何かを詰め込みたい者がいるとすれば、それは誰か? あなたか? それとも別の人か?

人生の支えとなる本に出会うには

 そのような本と巡りあえる時間は限られている

 ほとんどの人が30歳くらいで新しいジャンルの音楽を聴くのをやめてしまう。内にこもって嗜好が固まってしまい、古い木戸のように意固地に心を閉ざしてしまうのだ。

 本についても同じことが言えると思う(同じでないはずはない)。どうかご注意いただきたいが、実際これをわたしも経験した。わたしは40歳過ぎだ。まだ経験していない人にも当然起こりうる。だから悠長に構えていてはいけない。30歳以下の人は(緊急ではないが、のんびりしていられない)、これからの人生では意味のあることで頭を満たすようにしよう。そして30歳以上の人は、新しいものを読むように心がけよう。