ゴミ以下の存在として扱われた
女子グループのリーダー格は、ずる賢かった。それまで私に無関心だったほかの女子にも、私を無視するように働きかけていったのだ。それは、子どもながらの残酷なゲームだった。そうして私は、女子全員の誰とも口をきいてもらえなくなった。
男子のリーダーとも仲がよかった女子のリーダー格が、あろうことか男子たちにも私を無視するように吹き込んだ。それがあっという間に、クラス全体に伝播していった。
クラスの全員から激しいいじめがはじまり、スクールカースト最底辺へと堕ちていくまで本当にあっという間だった。それだけでなく、それを聞きつけたほかのクラスの子たちからも、いじめを受けるようになった。そうして私は全学年の生徒から、ゴミ以下の存在として扱われるようになっていく。
残酷なゲームに乗っかるクラスメイト
「クズ」「ゴミ」「死ね」「キモチワルイ」「バイ菌、あっちに行け」
廊下をすれ違ったクラスメイトから罵倒されるのは、もはや日常だった。
しかし、私の感覚は一般の人と少し乖離していたと思う。私は、いじめが理不尽だとは感じていなかったからだ。母によって幼少期からネグレクトされて育った私は、他者から自分をないがしろにされることに慣れ切っていた。
だから私は、いじめを甘んじて受け入れていた。それは母の虐待から学んだ処世術を、幼少期から痛いほどに叩き込まれ、身に付けていたからだと思う。
どんなひどい言葉を投げかけられても、無視されても、心に蓋をすればいい。いつだって、心を無にすること。そうすると何も感じなくなる。そう、母に虐待されたときみたいに――。意識をどこかに飛ばすのだ。
しかし、今考えると私の心は、何も感じなかったわけではない。きっとやはり、無数の傷がついていたのだ。そう、立ち直れないほどに――。