スンリ(元BIGBANGのV.I)が関わったバーニング・サン事件(ソウルのクラブ「バーニング・サン」で起きた暴行事件をきっかけに明らかになった一連の事件)で騒がれていた中でのことだったので、信憑性もありました。
助監督と一緒にグッズのお葬式も
――インタビューで特に印象に残ったファンは?
オ監督 この映画を作る時、誰にインタビューするか悩みました。ファンにとっては隠したいことなので、顔を出して話すことに抵抗があるはずで、正直に話してもらえるかどうか。結局は私の身近な人たちにインタビューしました。
その中で、助監督として制作を手伝ってほしいと連絡した人が、「実は私もスンリのファンだった」と言ったのには驚きました。それで、助監督とは一緒に推しのグッズのお葬式もしました。
――インタビューを断った人もいましたか?
オ監督 いました。長い間信じていた人に裏切られたショックを誰かに話すこと自体が負担だという人も何人かいました。何度も説得して出てもらった人もいます。
自分と関係のない誰かの犯罪を非難するのは簡単だけど…
――映画には監督のお母さんも出てきて、お母さんが好きだったのは、2018年に#MeTooで性被害を告発された後に自殺した俳優のチョ・ミンギでした。
#MeTooで次々に告発されるのをニュースで見ていた時と、自分の推しが事件の当事者になった時で何か変化はありましたか?
オ監督 自分と関係のない誰かの犯罪について非難するのは簡単なことですが、自分が長い間大好きだった、自分の一部のように感じられる人が性犯罪を犯した時には、何を言うのもとても難しいと感じました。
――私自身、#MeTooで告発されたキム・ギドク監督(2020年、コロナで死去)に何度かインタビューして記事を書いたことがあったので、被害について知ってから自責の念を感じました。
オ監督 とっても共感します。知らなかったから好きだったんだけども、知ってからは、それすら悪かったような罪悪感を感じました。