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――最近(3月19日)、チョン・ジュニョンさんが5年の刑期を終えて出所しましたが、今、どんな心境ですか?

オ監督 歳月は早いですね。映画を撮り始めて、完成して公開して、とやっている間にもう出所かと、驚いています。

©細田忠/文藝春秋

 周りでは出所のニュースを見て、私の身の安全を心配してくれる人もいます。今は日本に逃げて来ているので安全ですが(笑)。静かに、幸せに生きてほしいと思います。

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ファンが「推し」にただ望むこと

――映画を見る限り、監督の次の推しは俳優のチョ・スンウのようで、私も好きなんですが、今も続いていますか?

オ監督 今はそれほどではないです。ちょっとずつ何人も好きになりましたが、長続きしませんね。最近好きなのは、女性ですが、IVEのチャン・ウォニョン。でも推し活をしているというほどではないです。

――女性というのは、もしかしてチョン・ジュニョンさんの件が影響していますか?

オ監督 それもあるかもしれないです。少なくとも性犯罪はなさそうだという安心感。

――ファンが推しに望むことは何ですか?

オ監督 ビルボードで1位とか、オリコンで1位とかを望んでいるわけでなく、ただ、悪いことをしないで、自分の好きなことを一生懸命やってほしいというだけです。

もともとはエドワード・ヤンやホン・サンスに憧れて

――この映画を作る前から、監督は韓国芸術総合学校に入って映画の勉強を始めていました。もともとどんな映画を作りたいと思っていたのですか?

オ監督 私が好きなのは、エドワード・ヤン、ホン・サンス、濱口竜介のような監督の作品で、そういう映画が撮りたいと思っていました。

 本当に偶然、映画を学び始めてからこの事件に遭遇し、周りから撮ることを勧められて、今じゃないと、私じゃないと撮れないという気がして、休学して撮りました。この映画で私の人生が大きく変わったので、運命的な出来事だったとも言えます。

――次作はどんな作品ですか?