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大型商業施設のすぐそばで感じる「農村の面影」
70年代にはすぐ南側で千里ニュータウンや新船場が整備され、新御堂筋も萱野一帯まで伸びてきたが、それでも本格的な開発はもう少し後になってから。長年、のどかな農村風景を維持していた地域といっていい。
だから、箕面萱野駅とキューズモールを離れて少し歩くと、そうした時代の面影をどことなく感じさせる町並みも見ることができる。ところどころに畑があって、それを取り囲むのはニュータウンの住宅地でも令和の新興住宅地でもなく、いかにも昔ながらの住宅地。お寺がいくつも並んでそれを路地が取り囲むようなエリアもあった。
キューズモールのインパクトがあまりに強いから見過ごしがちだが、この町にもキューズモール以前から刻んできた歴史があるというわけだ。
国道“イナイチ”沿いにある「萱野」の痕跡
箕面萱野駅のすぐ南側を東西に走っている国道171号は、関西では“イナイチ”などと呼ばれる主要道路のひとつで、ざっくりいえば京都と神戸とを大阪都心部を通らずに結んでいる。
これもまた歴史をさかのぼると、古くは西国街道と呼ばれていた街道にルーツを持つ。いまの国道171号とは多少道筋が変わっているものの、江戸時代から北摂山地の麓のこの地を西国街道が通っていた。