3月20日から21日に韓国で開催された「MLBワールドツアーソウルシリーズ」。“韓国人が最も愛する日本人”とも呼ばれる大谷翔平(29)の来韓は、多くの韓国人が待ちわびた瞬間だったという。
なぜ韓国人はここまで大谷翔平のことが好きなのか? 韓国在住のジャーナリストが、ニッポンでは報じられないそのワケを考察した。(全2回の1回目/続きを読む)
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「マンガから出てきた男」
日本人メジャーリーガーの大谷翔平選手は、韓国人から「マンチッナム(マンガから破り出てきた男)」と呼ばれている。マンガの主人公を連想させるハンサムなルックスや、投手と打者の“二刀流”で結果を残すという前人未到の才能、そして人々を感動させる成長ストーリーまで兼ね備えているためだ。
そんな「完璧男」の大谷選手が、ロサンゼルス・ドジャース対サンディエゴ・パドレスの2024年MLBリーグ開幕戦のため韓国を訪れたのだから、韓国全土が大騒ぎしたのも無理はなかった。
韓国での“大谷ブーム”に火をつけた3つの転機
「長い間祈って、夢にまで見てきた願いがやっと叶った気分です」
大谷選手の韓国ファンクラブ「ショータイムコリア」のイ・ジェイク会長は、大谷選手の今回の訪韓を「人生最高の一瞬」に選ぶ。2022年10月に開設されたこのファンクラブは当初10人余りの会員数だったが、現在は700人を越えている。
「これまで韓国では3回の大谷ブームがありました。大会MVPを受賞した2023年3月のWBC大会、“韓国人の一番好きな球団”ともいえるドジャースと大谷選手が契約を結んだ2023年12月、そして今回のソウルシリーズです。この3回のイベントをきっかけに韓国ファンクラブの会員数が急増しました」