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「駅弁」と「コンビニ弁当」は何がちがう?

「とくにウチは都市部にありますから、常にそういうライバルと戦っていかないといけない。コンビニ弁当が駅の中に入ってくるなんて、脅威でしかない。

 でも、いまとなってはわかるんですけど、コンビニ弁当と駅弁って、同じじゃないんです。駅弁を買う人は、コンビニ弁当は買わない。実はそういう棲み分けが成立しているんです」(柳本さん)

 コンビニやエキナカ飲食店の弁当は、いわば町中にも店舗を持つ、“どこでも食べられる”もの。その点、駅弁は“その駅でしか買えない”という大きな特徴を持っている。つまり、同じ駅の中で食品を扱っていても、駅弁とそれ以外では、見えない線が引かれているというわけだ。

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 また、「ひっぱりだこ飯」販売開始以来使ってきた明石のタコの不漁という問題にも直面した。そのため、最近では味をキープするために“マダコ”にはこだわった上で、世界中からタコを集めているという。

「不要不急の外出は…」売り上げ97%減のコロナ禍。危機を乗り越えたきっかけは…

 それでも円安や物流コストの上昇など、ハードルは多い。販売開始時は980円だった「ひっぱりだこ飯」は、いまでは1300円。それでも淡路屋の利益は増えているわけではないというから、経営環境は厳しい。

 そして、コロナ禍も経営に大きな打撃を与えた。1日1万個つくっていた弁当は、わずか300個。97%も売り上げが減少した。行政からの補助金などがあったものの、もちろん充分とはいえない。まったく文字通りの倒産の危機である。

「だから、とにかく話題作りですよね。近くの酒蔵さんと一緒にドライブスルーをやったり、たむけんさんのお店の焼き肉弁当をつくったり。

 ちょうど運良く2020年3月にオンライン注文のシステムをリニューアルして、力を入れていこうとしていたところだったので、送料無料にしてええからとにかく全国の人に食べてもらえ、と。

 なんでもやって、メディアにも取りあげてもらって。最終的にNHKのニュースウオッチ9にまで取り上げてもらって、おかげさまで出荷しきれないくらいの注文が来ました」(柳本さん)