なので、そういう演出をしてくださったのだと思うのですが、ジャパンプレミアの時に染谷さんから「佐藤監督といつも何の話をしているのか気になっていた」と言われました(笑)。
今作では、夢と現実の世界が登場します。
徽子女王も夢の世界と現実の世界をさまようのですが、彼女にとっては、自分がいま夢の世界にいるのか、現実にいるのかはそれほど重要ではなかったと思います。
自分が今いる場所がどんな場所で、どういう状況なのかはあまり意識せず、ひたすら自分の内面と、目の前の博雅さまにだけ向き合う。そんなことを意識しての撮影はとても貴重な体験となりました。
映像と山崎賢人の美しさにドキドキしたシーン
──映画の見どころについても教えてください。
奈緒 私のおすすめは、ポスターのビジュアルにもなっている、山崎賢人さん演じる安倍晴明が、長髪を振り乱しながら火龍と対峙するシーンです。『陰陽師0』の世界観を象徴するシーンでもあり、映像と山崎さんの美しさにドキドキしました。
徽子女王が最後の決断を下すシーンもお気に入りのひとつです。幸せにはいろいろな形がありますが、徽子女王にとっては、博雅さまからの言葉が、その先の人生を幸せに生きていく力になった。
その言葉を聞けたシーンはすごく印象的で、あたたかい気持ちになりましたし、人はこうやって前に進んでいくのだなと思えるものでした。徽子女王がどのような選択をしたのか、ぜひ劇場でご確認ください。
なお 1995年生まれ。福岡県出身。出演作に「半分、青い。」(18)、「あなたの番です」(19)、『ハルカの陶』(19)、『事故物件 恐い間取り』(20)、『みをつくし料理帖』(20)、「演じ屋」(21)、『君は永遠にそいつらより若い』(21)、『マイ・ダディ』(21)、『草の響き』(21)、『マイ・ブロークン・マリコ』(22)、「ファーストペンギン!」(22)、『#マンホール』(23)、「あなたがしてくれなくても」(23)、『スイート・マイホーム』(23)、「春になったら」(24)などがある。
『陰陽師0』
CAST & STAFF
監督・脚本:佐藤嗣麻子/出演:山﨑賢人、染谷将太、奈緒/原作:夢枕獏『陰陽師』シリーズ/配給:ワーナー・ブラザース映画/4月19日公開