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「ラスト サムライ」渡辺謙の役は真田が演じるはずだった

 真田にとって、「SHOGUN 将軍」は、別の意味でもマイルストーンだ。最近出版されたズウィック監督の回顧録「Hits, Flops, and Other Illusions」によれば、「ラスト サムライ」で最も重要な日本人のキャラクター、勝元を演じるのは、真田のはずだったというのである。ズウィック監督が渡辺謙にしたいと言い出すと、日本のワーナー・ブラザースは反対したのだが、真田本人が、自分は助演である氏尾を演じると言ってきてくれてまとまったのだそうだ。

「そうすることで、真田は映画とケンを支える意思を伝えてくれたのだ。当時、私は、ケンが白血病と闘った後、借金を抱えていて、テレビドラマのオファーが来ると、つまらない作品であっても受けていたということを知らなかった」と、ズウィック監督は書いている。

渡辺謙 ©文藝春秋

 その役で、渡辺はオスカーの男優賞に候補入りをした。日本人がオスカーの演技部門に食い込んだのは、1958年以来、46年ぶりのことだった。その後、渡辺も、真田も、それぞれにハリウッドでキャリアを積んできたが、真田が重要な賞にからむことはこれまでなかった。だが、今、「SHOGUN 将軍」で、プライムタイム・エミーの主演男優部門にノミネートが確実視されている。実現すれば、日本人俳優としては初めてだ。

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 21年という長い時間を経て、真田が得るにふさわしい最高の脚光を浴びる時が、ついに来るかもしれない。それはまさに、本人が言う通り「宿命」ではないか。運命のめぐりあわせが最終的に彼をどこまで連れて行くのか、この先もぜひ見守っていきたい。

『SHOGUN』YouTube予告編より