自閉症児と健常児が共に学ぶ「混合教育」で知られ、2つの幼稚園と小中学校、高等専修学校を運営している学校法人武蔵野東学園(東京都武蔵野市)。

 同学園は「友愛寮」という名前の知的障害者向けのグループホームを運営しているが、今年4月6日、入所者の保護者に対し、突如「事業の廃止」が通達された。これに対し、東京都福祉局が「全利用者の移行先が見つからない限り、グループホームの廃止届は受け取れない」と学園側に通達を出していたことが「週刊文春」の取材でわかった。

武蔵野東学園(HPより)

 武蔵野東学園を巡っては、今年2月末に「ハズキルーペ」で知られるHazuki Companyの松村謙三会長が理事長に就任している。

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「週刊文春」では、これまで複数回にわたり、松村氏が学園の副理事長に就任して以降の混乱ぶりを報じてきた。高専の「校則見直し会議」で自身と言い合いとなった生徒に対し退学を迫って謝罪文を書かせるなど、松村氏の言動に多くの生徒や保護者が恐怖を抱いていた。

保護者らが松村氏の理事長就任阻止を訴える事態に

Hazuki Companyの松村謙三会長 ©時事通信社

 保護者らによって松村氏の理事長就任阻止を訴える「武蔵野東学園を守る会」が立ち上げられたが、結局、2月末に予定より1カ月前倒しする形で松村氏は学園の理事長に就任したのだった。

 そんな武蔵野東学園に新たな問題が浮上している。それが、同学園が運営する知的障害者向けグループホーム「友愛寮」の突然の“事業終了”だ。

「友愛寮」は、学園本部のある武蔵野市やその周辺に計5つの寮を構える。入所者の定員は各寮10名だ。