241人が死亡し、7万8000軒の住宅が損傷。
この地震で多くの人が感じた違和感は、政府対応の速度でした。
日本は地震大国です。
東日本大震災のみならず、中越沖地震に熊本地震と、国民は次々に各地で大きな揺れを経験していますから、「おかしいな」という声が、すぐに上がり始めました。
「どうしてこれだけ?」と指摘する声が
午後4時10分の地震発生から、約90分後に設置されたのは、熊本地震より緊急度が低く、総理も参加しない「特定災害対策本部」でした。
そこで、30分だけ会議を開いて、その日はおしまい。
これを2016年の熊本地震と比較して、ずいぶん遅いと感じた人は少なくありません。
あの時の自民党政権では、地震発生の44分後には〈非常災害対策本部〉が設置され、1時間後にはもう安倍総理出席の下、1回目の会議が開かれていました。
岸田政権は当日夜22時40分に、もう1段階上の〈非常災害対策本部〉に格上げしていたにもかかわらず、なぜかその夜に会議は開いていません。
やっと開催されたのは一夜明けた翌朝、すでにこの時点で地震発生から18時間経過、その会議も1回のみ、わずか20分で終わってしまいました。
その後も1日1回で、時間はいずれも15分~20分程度です。
これについても不可解だと感じた人は少なくなく、「どうしてこれだけ?」と指摘する声が上がりました。
熊本地震の時は、深夜にも早朝にも、もっと長時間、1日に何回もこの会議が開かれていたからです。
同時多発テロでは、情報が入らないことで人々がパニックに
東日本大震災では、翌日夜には〈激甚災害指定〉(とても被害が大きいため、国から特別な財政援助を必要とする災害)にされていましたが、今回は指定されたのが、発災から10日経った1月11日でした。
〈一体全体、どうなっているのだろう?〉
2001年9月11日に、ニューヨークで同時多発テロがあった時のことを思い出します。
情報が入らず、何が起きているかわからない状況が、人々の不安を膨れ上がらせ、噂や憶測がゆがんだ形で拡散し、パニックを引き起こしていったことを。