〈最もつまらぬタイプは、自分の考え、言葉を持たない政治家だ〉
地震と関係ない一連の動きに突っ込みが飛び交う
さらにこの後の行動が、またもや国民の怒りを買いました。
記者会見の後、フジテレビの「プライムニュース」に出演し、笑顔で総裁選への思いを語ったのです。
続いて翌日5日には、経団連の新年会に出席。
地震に関係ないこの一連の動きに、〈まだ生き埋めの国民がいるのに新年会か!〉〈テレビで総裁選の話をしている場合か!〉と突っ込みが飛びました。
自分の地元で同じことが起きた時の政府対応を想像し、不安になった国民も少なくないでしょう。
総理と知事に見えない“関心”と“覚悟”
一方、馳浩石川県知事は、県の予算から1000万円を大阪万博関連事業に入れると発表し、これまた多くの国民の怒りを買いました。
今は、万博よりまず被災地では? という質問に対し、知事が会見で言った、「私は維新の顧問なのでね」という発言で、さらに炎上。自民党に籍をおきながら維新の顧問をするという奇妙な立ち位置から、まるでお友達に公金を回すんだと言わんばかりのその態度が、被災者と県へ寄付してくれた人々の感情を逆撫でしたのです。ちょうどその頃、万博は、350億円のリングに2億円のトイレなど、法外な備品価格が批判されていた、何とも最悪のタイミングでした。
総理と知事に共通しているのは、被災地への関心がよく見えないこと。
ある地方紙の記者は呆れた顔でこう言いました。
「これだけの災害が起きて、避難所では凍死者まで出ているのに、なぜか総理も知事も、被災地自体への関心が感じられない。知事はまだ当選したばかりで経験がないと言うが、あそこは前にも地震があった地域じゃないか。そして一体、あの原稿棒読み総理は、何も覚悟がないのかね……?」
いいえ、総理の中にはちゃんと、別な覚悟がありました。