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国民への情報公開が、どんどん悪くなっている

 災害があった時、被災地の状況や、各省庁からの現場報告、どんな救助がどこまで進んでいるか? 総理は何を指示しているのか? などは、会議の記録を見ればわかります。

 例えば熊本地震の時も、議事録や豊富な資料がすぐに公開されており、国民はいつでもそれを見て、状況を確認することができました。

 ところが今回は、熊本地震よりひどい状況にもかかわらず、前に比べて明らかに情報が少ないのです。

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 最初の1週間など、ほとんど資料もなく、何を話していたのかもよくわかりません。

 自身が熊本地震で被災したために他人事とは思えず、政府の会議録を毎日チェックしていたというある会社員の男性は、あの時の政府対応とのあまりの差に、ショックを受けたと語ります。

「災害の時はまず、何が起きているかを知りたいですね。特に地震は日本人にとって、いつどこで次が起こるかわからない、明日は我が身の災害でしょう? 首都直下型や南海トラフ……しょっちゅう騒がれてるじゃないですか。だからこそ、今回の、政府の対応の遅さは解せないんです。何よりも、国民への情報公開が、前よりさらに悪くなっている」

首相官邸 ©アフロ

覚悟のない総理の新年会参加と1000万円の万博予算

 今回、国民の多くが違和感を覚えた最大要素の1つは、地震発生から3日後の、岸田総理の態度でした。

 1月4日の年頭記者会見で、岸田総理は手元の原稿を、目線を落としながら淡々と読みました。

 こんな緊急時こそ国民は、国のリーダーである総理には、官僚の書いた紙をただ読むのではなく、自分の言葉で被災地と国民に心を込めて呼びかけ、安心させてほしいもの。

 たとえカンペがあっても、今日くらい顔を上げて、自分の言葉で国民に語りかけて、覚悟を見せてほしかった、という多くの落胆の声がネットに上がります。

 米国依存からの自立を訴え続けた、石橋湛山元総理は、こんな言葉を残しています。