〈あらすじ〉
自然豊かな高原に位置する小さな町、長野県の水挽町。近年は移住者が増加し、緩やかに発展中だ。巧(大美賀均)と8歳の娘・花(西川玲)は、自然を尊重し、慎ましく暮らしていた。
ある日、この町にグランピング施設を作る計画が持ち上がる。コロナ禍で経営難に陥った芸能事務所が補助金目当てに立ち上げたものだった。説明会で、施設の排水が大切な町の水源を汚染することが判明。町民は動揺し、巧の生活にも波紋が広がる。
〈解説〉
『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督と、音楽家・石橋英子の共同企画。石橋のライブ用の映像を制作する過程で誕生した長編映画。第80回ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞(審査員グランプリ)受賞作。106分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★☆☆ひんやりとした青空、それを映す氷の池、青い服の少女。画面作りには、おおいに惹かれたものの、話はいささか物足りず。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★★☆エコロジカルな詩篇よりもマジック・リアリズムの小品に近い。森の不穏が根底にあるため、話の急転も不自然ではない。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆美しいカメラアングルに溜息。手に入れた生活と日常を失わないための結末は想像どおりだが悪は存在しないと思えた。
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森直人(映画評論家)
★★★★★独特の展開力に驚嘆。「こことよそ」の衝突と対話、調和のサイクルを乱す外圧の問題から見据えるのは人間の原罪か!?
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洞口依子(女優)
★★★★★濱口監督と石橋英子と撮影と俳優陣による生態学的寓話。シャブロルのミステリー的硝煙の残り香。大美賀均氏に星。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
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悪は存在しない(NEOPA/fictive)
4月26日(金)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、K2ほか全国公開
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