〈あらすじ〉
夜の砂浜に突如、姿を現した4人――スリランカ人のダルマダース(シャシクマール)、その妻ワサンティ(シムラン)、長男ニドゥ(ミドゥン・ジェイ・シャンカル)、次男ムッリ(カマレーシュ・ジャガン)は、貧しい祖国での暮らしを捨て、船でインドへの密入国を果たす。しかし、密航の手引きをしたワサンティの兄プラカーシュ(ヨーギ・バーブ)とともにすぐに捕まってしまう。
それからムッリの機転によって警察の手から逃れた一家はなんとか大都市チェンナイに辿り着く。身分を偽った生活を守るため、「近所付き合いはするな。特に言葉に気をつけろ(スリランカの方言を使わないように)」と注意を受けるが、人のいいダルマダースたちは次第に近所の人たちと親しく交流するようになり……。
そんな中、爆弾テロの捜査をする警察は、再び一家に疑いの目を向け始める。
〈見どころ〉
一家が遭遇するさまざまな出来事は、心温まるエピソードの詰め合わせ。フィクションでしか起こり得ないとわかっていても、だからこそ楽しんで。
スリランカからインドにやってきた 家族が巻き起こす善意の奇跡
スリランカから命懸けでインドに密入国した一家の姿を描いたハートフルコメディ。若き新人監督による低予算映画(製作費約1.17億円)ながら、『RRR』のS・S・ラージャマウリ監督やインド映画界のスター、ラジニカーントらの大絶賛が後押しとなって大ヒット(世界興収約15.12億円)を記録した異色作。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★☆☆☆暴力や憎しみでなく「善意」を映画のエンジンに据えたかったのだろうが、話の展開があまりにご都合主義的で、悪気のないぼんくらと呼ぶほかない。歌や踊りを挿入する手口は陳腐だし、全篇を通して情感や美意識の階級が低い。
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斎藤綾子(作家)
★★★★★不法移民は許さない建前のもとに異国に逃げてきた一家を描く。彼らの誠実さや優しさ、機転の利く行動、孤立させまいと踏み込む勇気、昭和の日本では当たり前だったご近所付き合いを連想した。一息つくにはもってこいかと。
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森直人(映画評論家)
★★★☆☆作品の質は大味だが、ローカルなインド娯楽映画の形式の範疇でスリランカ難民問題が描かれる内容に驚いた。寛容や善意がシンプルに差し出される。分断を超える祈りのような一本。監督が20代の新人であることにも注目。
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洞口依子(女優)
★★★★☆風変わりな家族の“移動”を通じて希望やユーモアを交えた洞察力の鋭さが光るインドのタミル語コメディ。地球上にある不法移民、難民問題に関しての既存の固定観念に真摯に挑む。辛くないカレーとチャイを思わせる優しさ。
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今月のゲスト
岡本真帆(歌人)★★★☆☆クライマックスが素晴らしい。損得を超えた信頼が連鎖し、示し合わせずとも皆が動く姿に純粋な隣人愛を感じた。異なる言葉が混じり合う様子で交流を描いているのも見事。警官の一言は至言で、爽やかな気持ちになる作品。
おかもとまほ/1989年生まれ、高知県出身。東京と高知の二拠点生活を送りながら、歌人、作家として活躍中。著書に、歌集『水上バス浅草行き』『あかるい花束』、エッセイ集『落雷と祝福』などがある。
- 最高!今すぐ劇場へ!★★★★★
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- 見て損はない。★★★☆☆
- 私にはハマりませんでした。★★☆☆☆
- うーん……。★☆☆☆☆
©Million Dollar Studios ©MRP Entertainment. 配給:SPACEBOX
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『ツーリストファミリー』
監督・脚本:アビシャン・ジーヴィント
2025年/インド/原題:Tourist Family/127分
2月6日(金)~
https://spaceboxjapan.jp/touristfamily/




