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60代で成功率80%以上を叩き出したナンパ術とは?

 女の子からすれば、ただの陽気なジジイに話しかけられたくらいにしか思われない。不快感はなく、ナンパ臭も全くしない。

 そんな親父のナンパで、俺はダシに使われる。

 この頃、親父は俺のツッコミをいたく気に入ってくれていた。親父が女の子に話しかけると、俺は親父に、

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「いや、あんま関わるなよ」

 とツッコむ。そのツッコミを利用して、親父はまた女の子に話しかける。それにまた俺がツッコむ。女の子は笑い、親父は俺のツッコミを利用して、いつの間にか自然と当たり前のように、女の子たちの会話に入っていく。

「一緒に飲もうよ」と誘うような野暮なことは決してしない。あくまで自然と、いつのまにか場になじみ、女の子たちは気が付いたら親父と一緒に楽しげに飲んでいるのだ。

 このナンパ術で、親父は齢60を超えているにもかかわらず、「女の子と飲む」というところをゴールにするならば、70~80%以上という驚異のナンパ成功率を叩き出していた。

 そんな骨の髄までナンパの血が流れているのが、俺の実の父親だ。

 

女子大生を巧妙にナンパしていたことも

 まぁ、そもそも親父が俺をナンパのダシに使うのは、今に始まったことではない。なんたって俺は小学生の頃から、親父のナンパのダシに使われていたのだから……。

 小学1年生の頃。俺は山形に住んでいた。

 ある日、とある女子大の前に親父と俺は立っていた。

 親父の手には野球ボール。俺の手にはグローブ。よくあるキャッチボールをする微笑ましい親子の風景だ。

 ……が、ここからが全く微笑ましくない。

 親父はこれでもかというほど思いっきり振りかぶる! そして、

「ウォオォオラァア!」

 と、力の限り、思いっきりボールを投げるのだ。俺に……ではなく女子大に。