3歳で母親と死別し、破天荒な父親と個性的な家族のもとで幼少期を過ごした、お笑いトリオ「ぱーてぃーちゃん」のツッコミ担当・すがちゃん最高No.1(32)。中学1年生のときに家族全員が家からいなくなり、12歳で一人暮らしをすることになる。いったい、彼の子ども時代に何があったのか――。
ここでは、すがちゃんの初エッセイ『中1、一人暮らし、意外とバレない』(ワニブックス)より一部を抜粋。父親の破天荒すぎるエピソードを紹介する。(全2回の2回目/1回目から続く)
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家族4人が順番に家から抜けていったワケ
俺の本名は“真っ直ぐ”な“人”と書いて「直人」だ。
真っ直ぐな人間になれ。名前にふさわしい生き方をしろ。
名前に込められたそんな思いとは裏腹に、俺の人生は全く真っ直ぐではなかった。だって俺は中学生にして、否応無しに一人暮らしに追い込まれることになるのだから。
ただ、なぜそうなってしまうのかを語るには、もう少し親父や、俺を取り巻く他の家族がどんな人物だったのかを知っておいてもらった方がこれからの話がわかりやすいと思う。
小学校低学年の頃、俺は家族5人で暮らしていた。母親は俺が3歳の時に亡くなってしまっていた。
だから家族は俺、親父、親父の姉さん、そして父方の祖父と祖母の5人。この中の俺を除く4人が順番に1人ずつ家から抜けていくことになる。
タマではなく心から溢れていた、親父の女好き
まず“1抜けピ”したのは、あの親父だった。
そもそも親父は、とにかく自信家で豪快で自分勝手だ。
デカくてゴツゴツしてる感じの男で、死ぬ間際まで、酒もタバコも女もやめなかった。
「酒もタバコも我慢したくねぇ」
という理由で、入院を拒み、それでもどうしようもなくなって入院し、入院した後もずっと看護師さんをナンパし続けた。
そんな親父が入院する前、最後に俺と行ったコンパで、親父が、
「俺が好きな女の子と2人きりになれるように、うまいことアシストしてくれ」と言うので、なんとかそうになれるように立ち回った。