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「煮卵・チャーシュー・麺大盛・ネギ・海苔…追加具材を利益率の悪い順に並べよ」元ラーメン店主の公認会計士が出題

source : 提携メディア

note

国産豚モモ肉の仕入価格は安くても100グラム100円程度です。

チャーシューは調理の過程でスジや余分な脂を落とすため、仕入れた肉のすべてを商品化できません。30グラムのチャーシューを作るには40グラムほどの生肉が必要で、食材原価は40%となります。さらに、調理の手間もかかるため、たくさんチャーシューが売れても、ラーメン店の利益はそれほど増えないのです。

麺1玉あたりの仕入価格は安くても50~70円前後

5人の中で真ん中くらいにありがたい顧客は、「②大盛野郎」です。

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自家製麺を行わず、仕入れを行っている場合は、麺1玉あたりの仕入価格は安くても50~70円前後になると思います。私がラーメン店を経営していた当時は、1玉70円で仕入れていました。

麺大盛り分が半玉として、原価35円になりますから、100円で売った場合、原価率は35%になります。

飲食店経営にあたって、目指すべき食材原価率は30%と言われています。麺大盛りは30%を超えているため、売上アップになってうれしいものの、特別利益率が良いとまではいえません。

卵1個あたりの価格は15~20円程度

ラーメン店にとって2番目にうれしい顧客は、「⑤味玉マン」です。

ラーメン店では、卵はケース単位の仕入れが一般的です。

安い店からケースで購入すると、卵1個あたりの価格は15~20円程度です。

トッピングとして100円で売れば、食材原価は20%に抑えられるのですが、煮卵を作る作業にはなかなか時間がかかります。

それでも食材原価は目標値より低いので、ラーメン店にとってはとてもありがたい注文です。

50枚1000円で買うことができる

5人の中で最もうれしい顧客は、「①海苔星人」になります。

海苔は安い店であれば、「全型」と呼ばれる縦21センチ、横19センチのものが、50枚1000円で買うことができます。トッピングのサイズにカットすると、全型1枚から4枚の海苔を作成できますので、トッピング1枚当たりのコストは5円です。100円のトッピングとして3枚1組で販売すると、100円の売上に対し、かかる原価は15円です。