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また、準備の手間も海苔をカットするだけなのでほぼかかりません。

注文が入れば入るほど、原価率は15%に近くなっていきます。「①海苔星人」が大量に来店すれば、店の利益率は改善します。

一方、「③ネギ魔人」が大勢でやってきてしまうと、店の利益を圧迫する結果になるでしょう。

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焼肉店で最も利益率が高いのはウーロン茶

このように、飲食店の原価率は一律ではなく、メニューごとに変わってきます。

注文してくれれば儲けが多いものもあれば、中には赤字で提供しているメニューもあるでしょう。

例えば、焼肉店で最も利益率が高いのはウーロン茶だと言われます。

こだわったウーロン茶を提供している場合は別ですが、ペットボトルのウーロン茶を提供するなら、グラス1杯あたりの原価率は20円程度です。販売価格は400~500円程度が一般的ですから、原価率は驚異の5%以下になります。

なかなかいないでしょうが、もしウーロン茶を大量に飲んでくれるお客さんが来たら、店にとってはとてもうれしい日になります。

トータルで目標の原価率を目指している

お酒を提供する飲食店では、食べ物の原価率を高めに、飲み物の原価率を低めに設定して、トータルで目標の原価率を目指しているケースが多いです。

食べ物の原価率を40%、飲み物の原価率を20%で設定し、注文の割合が半々であれば、食材原価は30%に収まります。

私はラーメン店を閉店したあと、ワインを中心にした洋風居酒屋を共同で経営しています。

飲み物の中でも、ワインは比較的原価率が高く、焼酎やウイスキーの水割りは原価率が低く設定されています。

また、手の込んだ料理を出しているので、原価率はどうしても高くなりがちです。

閉店ラッシュのいま、お気に入りの店を応援しよう

そのため、洋風居酒屋にとってうれしいお客さんとは、食べ物をあまり注文せず、原価率の低い水割りをどんどん飲んでくれる人になります。

逆に、原価率の高い食べ物をたくさん注文し、飲み物は頼まず、無料の水だけのお客さんだと、利益率が低くなってしまいます。