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 この話が正しければ、ミッチェルとボニーは水難事故で死亡したものと思われるが、警察当局が確認したところ、身元不明の溺死体が発見された記録がどこにも残っていないことが判明。男性が虚偽の証言をする理由は一切ないにしろ、彼の話を完全に信用することはできないとされた。

写真はイメージ ©getty

 それから13年後の2013年10月、未解決事件を引き継いでいたニューヨーク州サリバン郡の警察当局に、フロリダ州在住の51歳女性から、また新たな情報が寄せられる。

 1973年当時、彼女はコンサート会場となったワトキンズ・グレンから約20マイル離れたウェインという街に住んでいたのだが、同年7月28日の昼間、父親と地元のレストランに行き、そこでテーブルに座っていた1人の青年に近づいて名前を聞いたところ、ミッチェルと名乗ったそうだ。

 彼女によれば、父親はレイプの常習者で、ミッチェルと名乗る男性も父親に性的被害を受けたうえに殺害されたのではないかという。にわかには信じがたい話だが、当時の資料を調べたところ、事件後にその父親が2人の失踪に関与した重要参考人として調べられていたことがわかった。

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2人は溺死したのか、殺害されたのか…

 そこで、警察は掘削器具とソナーを用意、死体発見犬も要請したうえで、彼女が住んでいたウェイン一帯で掘り起こし作業を行う。

 しかし、収穫は皆無。当時まだ存命だったその父親を取り調べることも検討されたものの、新たな証拠がないことを理由に見送りとなった。

 果たして、ミッチェルとボニーは溺死したのか、殺害されたのか、それとも…。2人の家族は今も真相が明らかになる日を待ち望んでいる。