談合坂スマートICを降りると…
談合坂スマートICを降りると、インター開設にともない新設された市道が左右に分岐している。分岐点には小さな青看板が立っているが、右方向の道路については何も地名などが書かれておらず、なにやら立ち入りを拒む雰囲気。あとから調べると、犬目峠という富嶽三十六景の一景を望む旧甲州街道の宿場町に出られるようだ。
さしあたり、国道20号方面と記載がある左方向に出る。道路の右手、方角としては南側に向かって斜面が下がっており、見晴らしのよい山並みを視界に収めながら進んでいく。
とはいえ景色としては緑と茶色、アースカラーというかアースそのものであって、目につく変化といえばときおり山間部に集落が見えるくらいだ。
まもなく左側にフェンスが現われ、人の手の入った植林が目に入ってくる。公園だろうか? 入り口にまわると、「ぷらっとパーク」なる看板。
NEXCO中日本の施設であり、外からSAに直接アクセスできるようだ。中央道の存在に多少なりとも影響を受ける近隣住民に対し、便宜を図るための施設らしい。
6台分の駐車場にはなるほど山梨ナンバーが並んでいる。なかに入ると芝生の広場に数組、シニア世代の夫婦や犬を連れた男性の姿が見えた。その向こうには上り側のSA駐車場。地元民の生活と、観光・物流の中継地が交わる不思議な光景だ。
中央道の利用者はぷらっとパークから外に出ることはできないが、出口の向かい側にはブランコや滑り台を備えた小さな児童公園がある。
公園からすぐさま中央道を見下ろせる格好であり、フェンスはあるもののどことなく落ち着かない感じがする。
当然、注意書き看板にはボール遊びを禁じる記載があった。
スマートIC開通後、周辺開発の兆しは?
中央道沿いに旧甲州街道をもう少し進むと、民家が目につきはじめる。どれも敷地がことごとく広く、古い家屋も多いが、比較的新しい建物も点在している。園児を運ぶ幼稚園バスの姿もあった。路線バスの停車場もあるが、時刻表を見ると日に1本という運行状況。残念ながら目の当たりにすることは叶わなかった。
再び住宅の姿が見えなくなり、林とコンクリートブロックに覆われた山道が続く。と、左側になんとも気になる林道の入り口を見つける。
手作り感あふれる案内板には「旧甲州街道」の文字。いま進んでいるのも旧甲州街道だが、どうやらそこだけ舗装されないまま残されているようだ。
おののきつつ歩みを進めると、林道はわずか200mほどしかなく、抜けると中央道にかかる小さな橋に出る。
ちょうど下り側のSAから本線へと合流してくる車を見下ろす格好だ。