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「僕らがネズミを見た時のような」ノアの人間に対する態度
旅の途中、ノアは、危険に直面し、信頼できる誰かから貴重なことを教えてもらい、生まれて初めて人間を目にする。
「ノアの人間に対する態度は、僕らがネズミを見た時のような感じ。家にネズミが出てきたら、大騒ぎするよね。それと同じで、『人間がいる!追い出さなきゃ!』と反応するんだ。
ノアにとっては奇妙なクリーチャー(生き物)であるその人間の女性は、なぜかノアについてくる。そして彼らは少しずつお互いを知っていくことになる」
ノアたちが勝手にノヴァと名づけるその人間を演じるのは、22歳のイギリス人女優フレイヤ・アーラン。
アーランはティーグらのようにパフォーマンス・キャプチャーのスーツやヘルメットをつける必要はなかったが、猿たちといるシーンでは、毎回、一緒に撮影した後、もう一度同じことをひとりだけでやる必要があった。
そのやりづらいテイクで、「オーウェンは、自分が映らないにもかかわらず、私が少しでもやりやすいよう、そこにいて自分のセリフを言ってくれたの」とアーラン。「彼は人間としても、俳優としてもすばらしい人」と、ティーグを絶賛する。
「ばからしい光景だよ。でも、すごく自由になれるんだ」
最高のテクノロジーを駆使した映画の現場では、そんなふうに観客にはわからない苦労もあるが、悪役プロキシマス・シーザーを演じるケヴィン・デュランドは、「人間がどうしても持ってしまいがちな虚栄心から完全に解放される体験だった」とポジティブに語る。
それにはティーグも同感だ。