パソコンにCDを入れるのに専用ケースが必要な時代があった
次に紹介するのはCDキャディです。PCでCDを読み取る装置であるCDドライブは、トレイに乗せて出し入れする「トレイ式」や、CDをそのままスロットに入れる「スロットイン式」が一般的ですが、90年代中頃にはCDキャディなる専用ケースにCDを入れ、それをメディアのように出し入れする「キャディ式」が多く見られました。
特にApple製品では、90年代前半のMacintoshの本体の多くにこのキャディ式のCDドライブが採用されていたほか、「Apple CD300」など外付けドライブもこのキャディ式に統一されていました。CDキャディはMacintosh本体に付属していましたが、1000円前後で販売されていたサードパーティのCDキャディを買い足し、よく使うCDを入れっぱなしにしておく人も多くいました。
その後、CD-ROMが広く普及するにつれ、より扱いやすいトレイ式やスロットイン式が一般的になり、出し入れに手間がかかるキャディ式は減少していきました。Appleが98年に発売した一体型PC「iMac」はトレイ式、翌年のモデルチェンジではスロットイン式のCDドライブが採用されるなど、この頃にはキャディ式はほぼ見かけなくなっていました。
その後登場したDVDドライブに吸収される形でCDドライブ自体が姿を消し、さらにネットの普及でメディアを使わなくとも大容量データが転送できるようになったことから、いまではPCにおける光学式ドライブそのものがマイナーな存在となっています。今はまだ、CDキャディの説明をするにはCDドライブについて説明すれば済みますが、将来はもっと根本的なところから説明が必要になるかもしれません。