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医学部受験生の60%が「親子関係」に悩んでいる…成績優秀な子を追いつめる毒親たちのヤバすぎる思考回路

source : 提携メディア

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私は教育虐待傾向にある親を持つ子どもには、親を「厄介なファンだと思え」と伝えています。「熱狂的なファンであるためにヤジを飛ばし続けるスポーツファン」だと思えば、暴言を真に受けず、心の平穏を保つことができます。

難しい勉強の強要や過干渉のせいで、やる気がゼロになったり、極度な不安症状を抱えたりすると、メンタルを立て直すのに時間がかかります。また医学部受験生全般に言えることなのですが、難しい勉強ばかりしてきて基礎問題を習得できておらず、知識が上滑りしている人も大変多いです。

私は常日頃塾生たちに「難問を解く必要はない」「人との比較は意味がない」と言い続けています。またどんな小さなことでも、自分で自分を褒めてあげることも大切です。自分で学ぶ動機付けを行い、自己肯定感を高めていくと、親からの心ない言動にも動じず生きていける強さが身につきます。その強さは医学部に進学後や医局に入った後も、役に立つのです。

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2023年度医学部に合格した塾生からも「勉強面だけでなく、メンタル面の成長も感じることができた」といった喜びの声が寄せられています。

親からの心ない言葉に「引っ張られすぎない、強い心(メンタル)」で、未来を切り拓ければ素敵です。世間一般の受験の常識が、全ての受験生の成長につながるとは限りません。親も子も正しい方法論を知り、強い心(メンタル)で困難に立ち向かう力をつけてほしいと思っています。

高梨 裕介(たかなし・ゆうすけ)
医師、医学部専門予備校エースアカデミー塾長
DELF代表。1988年生まれ。大阪医科大学卒。初期臨床研修修了後、医学部予備校エースアカデミーを設立。自身の医学部受験の反省を活かし、470名以上の医学部合格者を指導してきた。監修書に『医学部受験バイブル』(幻冬舎)がある。
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