メンバー5人と“密室”で交わされた会話
そしてタクヤがグループのライブ終わりに単独で結婚会見を行った後に、メンバーたちと焼肉へ。イイジマサンやそのほかのスタッフも何人か来る予定だったのですが、マスコミ対応に追われて到着が遅くなり、高級焼肉店の個室でメンバー5人と僕のみの時間がありました。
タクヤの結婚会見直後、そのたった6名しかいない“密室”で交わされた貴重なやりとりも記されているのです。
この結婚に関するエピソードはあくまで一例ですが、とにかく鈴木さんがSMAPをこんなにも近くで見てきた生き証人のような存在だったとは、知りませんでした。
SMAP解散後に稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さんの3人で結成した「新しい地図」のネット配信番組『ななにー 地下ABEMA』(ABEMA)では、鈴木さんの引退日である今年3月31日に「鈴木おさむ最後のわがまま…メンバーとの乾杯」という回を放送。
番組内で草彅さんが鈴木さんに、「本当に同じ時間、世代をともに歩んできたっていう、確かな人だなって思ってて」と語っていたことも、本書を読むとリップサービスではない、掛け値なしの本音なのだとわかるのです。
大のSMAPファンでなくても…
本稿を書いている筆者は40代半ばで、鈴木さんやSMAPメンバーより少し下の世代。
SMAPがめちゃくちゃ好きだったというわけではないのですが、SMAPの曲は山ほど知っていますし、カラオケで何度となく熱唱したものです。
「がんばりましょう」(1994年)、「青いイナズマ」(1996年)、「夜空ノムコウ」(1998年)、「らいおんハート」(2000年)、「世界に一つだけの花」(2003年)などはどれも、当時の思い出と鮮明にリンクしています。
大のSMAPファンというわけではない筆者ですら、です。それだけSMAPのヒット曲は、日本のその時代その時代と密接につながっていたのです。